G20は一応の円安支持も、今週は様子見継続か

ボックス下限での押し目買い方針
15~16日に開催された20ヶ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議では、海外当局者からの円安批判は高まらず、結果的にドル/円相場に対する影響は限定された。12日には主要7カ国(G7)が為替相場に関する緊急声明を出していたが、二つのイベントを通じて日本の金融政策・円相場の水準は、ともに批判されるべきものではないことが再確認された形になっている。

現在のドル/円相場の水準に関しては、過去の日米金利差等との比較で特に過熱感はなく、ファンダメンタルズから乖離しているとの批判はなかった。問題となる可能性があったのは、安倍政権の強力な金融緩和政策が「脱デフレ」のみならず「円安誘導」と評価されるシナリオだった。しかし、結果的には共同声明の内容はG7緊急声明よりも後退した内容となっており、積極的ではないにせよ、各国から一応の理解を得た形になっている。このため、今後も日本の脱デフレ政策に大きな修正が生じる余地はなく、ドル高・円安基調そのものは維持されることになるだろう。少なくとも、大きく円高方向に戻す理由は見出せない。

もっとも、G20で為替レートを目標とした経済政策は行わないことでも合意されており、従来のように政府筋やそれに近い立場の人間が、具体的な為替レートについて言及することは難しくなっている。

目先は、日米首相会合、日銀総裁人事などのイベントが控えていることもあり、ドル/円相場は様子見スタンスを継続する可能性が高い。現実問題としては、米国から円安批判が強まる可能性は低く、日銀総裁人事も安倍政権の政策スタンスと異なる可能性は低く、いずれにしても円高材料とはなりづらい。ただ、ヘッジファンドなど短期筋のドル買い・円売りオペレーションには一巡感が広がっていることもあり、当面は次のドル買い・円売り材料が入手されるのを待つステージになろう。3月1日から米国で歳出強制削減が開始されることで、財政問題の蒸し返しに対する警戒も必要である。

今週は92~94円をコアレンジに、ボックス下限付近で改めてドル買い・円売りを仕掛けるイメージになる。