日銀総裁人事が焦点に

日銀総裁人事が焦点に
次期日銀総裁レースが佳境に入っており、早ければ安倍首相が日米首脳会談を終えて帰国する24日(日)にも後任人事案が国会に提示される模様だ。

個人的な印象では、武藤敏郎大和総研理事長(元財務事務次官、元日銀副総裁)が一歩リードしていると思われる。

麻生財務相が日銀総裁の資質として挙げた「英語力」が他の候補より劣るとの見方から、同氏は一旦脱落したかに思われたが、本日、麻生財務相は「流暢にしゃべれる必要はないが、普通に意思疎通できればいい」と発言を微妙に修正。

また昨日には参院同意のカギを握る民主党の海江田代表が、財務省出身だからといって必ずしも反対しない意向を示し、武藤氏就任への同意に含みを持たせた。

仮に、武藤氏が提示された場合の為替相場の初期反応は「円高」という事になるだろう。

今月20日早朝には武藤氏が総裁レースから脱落した事を匂わせる報道に反応して円安に振れる場面があるなど、武藤氏=円高の反応をイメージする参加者は少なくない。

武藤氏が副総裁を務めていた2006年に日銀はゼロ金利の解除に踏み切っており、同氏がその際に賛成票を投じた事などから、市場は金融緩和にそれほど積極的ではないというイメージを持っていると見られる。

武藤氏が財務省出身であるが故に外債購入に否定的と見られている事も影響しているだろう。

もっとも、武藤氏が提示された場合でも円高の反応は一時的にとどまると思われる。

安倍首相が常々「私の考えに近い方を」と発言している点から見ても、新総裁の指揮の下で行われる始めての政策決定会合(4月3-4日)において、首相が言うところの「次元が違う金融緩和」が発表されるとの期待は維持されるからだ。

仮に武藤総裁が誕生する事になっても、安倍首相が指名するからにはその期待が大きく後退する事は考えにくい。

つまりは「誰が提示されるのか」よりも「どのような政策を採るのか」のほうがより重要であり、市場の関心もすぐにそこへ向かう事になるだろう。