懐疑の中で育っている段階

ポジション・サイズ
 「相場は悲観の中に生まれ、懐疑の中で育ち、 楽観の中で成熟し、陶酔の中で消えていく(ジョン・テンプルトン)」と言う格言がある。

 強気相場の発生から崩壊まで、マーケットに参加する人間心理を上手く表した格言だ。

 古今東西、この格言に当てはまらないバブル相場はない。

 アベノミクスがバブル相場へのきっかけになったと仮定すると、現段階は「懐疑の中で育っている段階」であろう。マーケット参加者の中でも少数の目ざとい人達は、「悲観のなか」で買いポジションを少しづつ這わせ、そこで仕込んだポジションは、今回の上げ相場で一部は利喰ったと想定される。

 現在はひと相場を終え、次の仕込みの準備というところであろう。ポジションサイズが大きい場合は、まだ底打ちする(修正安)前から玉を仕込んでいかねばならぬが、一般的な個人投資家の場合は、修正安が一巡し底打ちをチャート形状などで確認してからの参入の方が無難だ。特に今回の相場は、日本だけでなく世界的な金融緩和政策が続く中でのジャブ付き相場であり、変動の大きさに振り回されないようにしたい。
 今回のお題で、「初心者が現在の「安倍相場」と呼ばれる相場環境で気をつけるべきポイントは何でしょうか?」と頂いたが、銘柄選択以上に初心者にとって最も大切なのはポジションのサイズである。相場観が当たっても、道中の揺さぶりで振り落とされてはどうしようもない。相場に絶対はない中、逆行した時に次の手が打てなくなるようなポジション取りは致命傷となる。初心者がポジションを採る際に「儲かったらどうしよう(何を買おうなど)・この倍買えば儲けも倍になる」などと考えがちであるが、「思惑と逆行したらどうするか」「倍買えば損失も倍になる」事を考えておかないとマーケットでは生き残れない。
 プロでも負ける理由の大きな原因が、オーバーポジションだ。プロの場合は、ポジションが大きすぎる場合だけでなく、チャンスにポジションが小さすぎる場合も負けの原因になることがあるが、初心者の個人投資家が気を付けるべきは、大きすぎるポジションである。営業サイドから「歴史的な絶好のチャンス」「奥さんを質に入れても買い」「相場に参加しないリスク」などのトークで攻めてきても、相場が逆行した際に「二の手」・「三の手」が打てるぐらいの資金配分を心掛けた戦略を採るべきだ。さらに、エントリーのタイミンングだが、冒頭の格言にあるような最終局面での参入は天井掴みとなる。くれぐれも用心。