欧州 VS 日本・米国…?

黒田ADB総裁発言-円売り
※ご注意:予想期間は3月6日と表示されていますが、本日(5日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。
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 昨日はいずれの通貨ペアも、小動きに留まりました。ただし取引材料そのものが不在だったわけではなく、マーケットのセンチメントに影響を与える材料が日・欧から飛び出しています。

 まず東京タイムでは、衆議院において次期日銀総裁候補とされる黒田・ADB(アジア開発銀行)総裁の所信聴取が行われました。

 「デフレ脱却に向けて、やれることは何でもやる」

 欧州債務危機に直面していた昨年7月にドラギ・ECB(欧州中央銀行)総裁が発してユーロの反発を誘った有名なワンフレーズ(当時は「ユーロ救済のために必要なことは何でもやる」)は、マーケットに“日銀のさらなる追加緩和への可能性”を囃させました。このため円売りが進行し、ドル円は一時93.72円へと持ち上げられました。しかしながらアジア各国の株式が下落したことで、その後は反落しています。
アジア株下落が欧州にも波及-ユーロ売り
 アジア株式の下落は、未だ続く伊政局の混迷を睨んだ警戒ムードが漂う欧州市場にも波及しました。欧消費者信頼感指数は事前予想を下回り、また“米格付け大手・S&Pがイタリア国債を格下げする”との噂が流れたことも、ユーロ売りを誘いました。この影響でユーロドルは1.29ドル台へ幾度となく突入し、一方でこのドル買いの動きでドル円の下値は93円前半で支えられました。

 もっともどちらも新味に欠けた内容であり、またECB(欧州中央銀行)理事会(7日)、米雇用統計(8日)を控えるスケジュール感も重なったことで、大きな変動にはつながりませんでした。
欧州 VS 日本・米国…?
 こうした中で本日の展開ですが、テーマ不在の状況から“マーケットの次のテーマは何?”がポイントとなってきます。まず東京タイムでは、昨日に続いて次期日銀副総裁候補(岩田氏・中曽氏)の所信聴取が控えています。“日銀のさらなる追加緩和”への思惑が再び盛り上がる可能性については、注意が必要です。

 東京タイムにはもう一つ、豪準備銀行(RBA)の政策金利発表も予定されています。金利そのものは据え置きとの見方が大勢を占めていますが、“次回利下げが声明で示唆される”との見方が一部では盛り上がっています。そうなると豪ドル主導でクロス円が全般的に揺れ動くケースまで想定しておかなければならないところです。

 そして欧州タイムの注目は、やはり伊国債格下げへの噂を含めた、イタリア情勢となります。欧州を巡る投資家心理は確実に悪化方向へと進んでおり、近い将来の利下げ観測まで台頭し始めているなど、下方向に向けた圧力が高まっていることは疑いようのないところです。そう考えると「欧州発のリスク回避(ユーロ売り・円買い)」 VS 「日本発の追加緩和(円売り)」+「米国発のリスク選好(景況感を背景にしたドル買い)」という構図が、もっとも近いといえるかもしれません。
93.80円~94.00円を突破できるか?
 テクニカル的に見ると、ドル円は93.80円~94.00円にかけて分厚いドル売りオーダーが観測されています。このため同ラインの突破の有無が、上方向への第一関門といえそうです。一方で下方向には20日移動平均線(本日は93.20円)が展開しており、前日安値もほぼ同ラインと合致しています。93円ラインにかけてはドル買いオーダーの噂も絶えませんので、こちらの突破の有無がメドと見ておきたいところです。

 ただしセンチメントは日を追うにつれて悪化していおり、さらに材料がないわけでは決してありません。新規材料難から狭いレンジ内での取引が続いていますが、引き続き警戒度は強めておきたいところです。