日銀正副総裁候補は外債購入に否定的も、円安基調は維持

日銀総裁・副総裁候補の所信聴取を終えての円高は一時的
ドル/円相場は、93円台前半から中盤で明確な方向性を打ち出せていない。イタリア総選挙を受けてのドル売り・円買い圧力は一時的なものに留まったが、改めてドル買い・円売りを進める動きは緩やかなペースに留まっており、2月25日の直近高値94.77円までは、まだ1円以上の値幅を残している。

3月5日には次期日本銀行総裁候補の黒田・アジア開発銀行総裁(ADB)、6日には副総裁候補の岩田・学習院大学教授と中曽・日銀理事に対する衆議院での所信徴収が行われた。

黒田ADB総裁は、無制限緩和の実施前倒しも含めてやれることは何でもしたいとして、具体的には買い入れ対象の長国債の残存期間延長、上場投資信託(ETF)などリスク資産の購入方針などを打ち出している。また、岩田教授もより残存期間の長い長期国債の買い入れ方針を示すなど、両氏ともに今後の大胆な金融緩和策に対する期待感をつなげる内容の発言を行っている。

ただ、外債購入の一点に関しては両氏とも否定的な発言を行ったことが、一定の円高圧力として機能している。円安誘導と海外から批判の声が強まり易い外債購入の必要性が疑問視されるのは当然とも言える。しかし、過去の発言からは岩田教授などは一歩踏み込んだ発言を行う可能性も指摘されていただけに、若干の失望感が広がった模様だ。

もっとも、両氏ともに着実な金融緩和を進めれば外債購入の必要なくして目標が達成できるとのスタンスであり、特に緩和姿勢が疑われるような状況にはないだろう。目先は、引き続き材料出尽くし感から円安圧力は限定的なものとならざるを得ない。しかし、政策担当者の交代時期が近づく中、新たな緩和スタンスが示されるとの期待感が、ドル高・円安基調を支持する可能性が高い。