為替」と「株価」負のスパイラルにご用心!

米景気回復への期待感の継続性
 今回の米雇用統計で注意しておきたいポイントは、「米景気回復への期待感の継続性」です。

 昨今の米経済指標には好内容のものが多く、これが米景気回復への期待感に繋がることでNYダウは史上最高値を更新する動きを見せています。その“景気回復”ですが、詰まるところは“雇用回復”でもあります。このため米雇用が順調に回復していることを裏付ける内容になるかどうかについて、今回の米雇用統計はマーケットの関心を集めています。

前哨戦は好調
 そして前哨戦とされる米2月ISM製造業景況指数(54.2)、 米2月ISM非製造業景況指数(56.0)、米2月ADP雇用統計(+19.8万人)は、いずれも事前予想を上回る好内容となりました。さらに米地区連銀経済報告(ベージュブック)は順調な米景気回復を指摘したものとなっており、米雇用統計への期待感は否応なく高まっています。

上下両方に注意
 こうした状況下で好結果となれば上方向への期待感が高まることが想定されます。ただし同じぐらいに注意しておかなければならないのはネガティブ・サプライズです。更に、それとは別に注意しておきたいのが「好内容となったのに、思ったほど伸びない(ドル円で言えば円安・ドル高が進行しない)」ケースです。「目先の天井に達した」との解釈が台頭しやすく、反対売買が集中するケースが少なくないからです。

 特にドル円に関しては、円安を牽引してきた日本側に「目先の材料出尽くし感」が台頭しています。中長期的な円安への思惑には変化は見られませんが、短期的に更なる円安へと導く材料に欠けた中、良好な経済指標で伸び悩むようなことがあると「目先の出尽くし感」はより台頭しやすくなります。

「為替」と「株価」負のスパイラル
 そして「思ったほど伸びない」となった場合には、別の懸念も想定しておかなければなりません。前述したように米国株式市場は活況を呈していますが、裏を返せば利益確定売りが入りやすい地合いになっているともいえるからです。そうした中で「好内容だったのに思ったほど伸びない」となると、為替を見て株式で利益確定売りが入り、その株価を見て為替で売り圧力が台頭するというシナリオも想定することが出来るからです。

 たとえ良好な結果になっても油断をせず、その後のマーケット動向にまでキチンと目を配らなくてはならない。今回はそんな米雇用統計といえそうです。