イベント消化で円安圧力一服も、改めてドル高圧力が強まる

4月の日銀会合までは、ドルサイド主導の展開か?
2月は1ドル=92~94円をコアレンジに揉み合いとなったドル/円相場であるが、3月入りした後は改めてドル買い・円売り圧力が強くなっている。8日の取引では一時96.55円に達しており、2009年8月12日以来のドル高・円安水準を更新した。

前週は日銀の正副総裁候補の所信聴取が行われ、国債買い入れ期限の長期化といった具体策への言及も行われている。ただ、マーケットでは4月以降の会合でどれだけ踏み込んだ緩和策を打ち出せるのかを見極めたいとするムードが強く、特に材料視されなかった。既に当局者の発言に一喜一憂するステージは終わっており、具体的な行動が求められるステージに突入していることが確認できる。

白川総裁の下での最後の日銀会合(7日)では、白井審議委員が無制限買い入れの早期導入を提案した。これは反対多数で否決されたものの、次期正副総裁下で強力な緩和姿勢が打ち出されるとの期待感を高める形になっており、円サイドからはドル高・円安の流れにブレーキを掛けるのが難しい状況とみている。今後は特に日本の金融政策見通しに大きな修正を迫るイベントはなく、4月会合でマーケットの期待に応えられるか否かが問われる局面になるだろう。

このため、目先は膠着気味の展開を想定していた向きも多かったが、ここにきてドルサイドからのドル高・円安圧力が強くなっている。依然として米歳出強制削減や暫定予算の延長といった問題を抱えているが、マーケットの楽観ムードが予想以上のペースで進展していることが米金利の上昇を促し、日米金利環境からドル/円相場を一段と押し上げている。その象徴だったのが、96円台乗せの原動力となった米雇用統計である。今週は小売売上高や鉱工業生産などの重要指標の発表が控えているが、景気基調への信認を打ち崩すのは徐々に難しくなっており、ドルが買われ易い地合にある。

現在の日米2年債利回りスプレッドは2月20~21日当時とほぼ同水準であり、その当時のドル/円相場は93~94円水準だった。その意味では現在の値位置にはやや過熱感もあるが、このまま欧米のテール・リスクが顕在化しないことを前提にすると、ドル高・円安の流れに逆らうのは難しい。現行の価格水準では上値追いではなく押し目買いスタンスで対処すべきと考えているが、次回日銀会合までは極端な円高リスクは限定されることになる。