キプロスを巡る動き

新しい「ユーロ危機」の顔
*キプロス支援に対する協議

先週金曜日、EUサミット後の臨時ユーロ圏財務相会合が開催される直前に『キプロス預金口座課税』の噂がロンドンマーケットでは流れておりましたが、ここまで早急に具体的内容が出てくるとは思っておらず、油断していました。

同国に対する支援規模に関しては、

当初の予定額:170億ユーロから100億ユーロに減額 ⇒ 特にドイツの抵抗があり、100億ユーロですら難しくなるとの憶測が流れた ⇒ 100億ユーロを70億ユーロに減額するかもしれないという噂が金曜日に流れていた ⇒ 金曜日の午後遅い時点で、とりあえず45億ユーロ規模の支援金の道筋について合意した模様。残りをどこから引っ張ってくるかが問題となった ⇒ そこでキプロス預金口座課税の話しが具体的になってきた

*キプロス支援に向けた条件

金曜日の臨時ユーロ圏財務相会合、そしてトロイカ調査団との話し合いなどを総合した支援に向けた条件を挙げてみましょう。

・キプロスの銀行の預金口座に対する特別課税(1回のみ)
口座残高が10万ユーロ以上  9.9%
口座残高がそれ以下  6.75%

・特別課税金と同額の銀行株が預金者に手渡される

・法人税上げ  現行の10%から12.5%へ引き上げ

・民営化  14億ユーロ規模の民営化の決定

・金融支援額 ⇒ 最大100億ユーロ規模となる予定だが、IMFによる負担規模により変更の可能性あり

・キプロスの公的債務残高対GDP比を2020年までに100%とする

この決定を受け、同国の全銀行口座からの引き出しを制限する預金封鎖を開始。現金自動預払機(ATM)からの引き出し・インターネット上での資金移動も制限。

*キプロス議会の動き

今回の決定を受け、キプロス議会は急遽日曜日現地時間14時から採決を行う予定でしたが、それがキャンセルされ、月曜日に延期されました。

あいにく18日(月曜日)はキプロスの休日に当たりますが、同政府はこれ以上の金融システムの混乱を避けるため、19日(火曜日)も臨時祝日と決定しています。

日曜日の採決が月曜日に先送りされた理由として、今回の措置に反対する共産党系議員が多いことに加え、今まで聖域とされていた『一般個人の預金口座に対する課税措置』が実施された場合、今後他のユーロ加盟国(特にギリシャやスペインなど)で預金流出が加速される懸念が出てくることなどが挙げられています。

今回の条件の変更がない限り、ユーロ加盟国の南欧州各国では、預金口座からの資金流出が相次ぐ可能性が出てきており、安全資産としてのスイスが魅力的(スイス高(になることが予想されます。