<株式トピックス>=キプロス・ショックの背景にあるものは?

 18日の日経平均株価は340円安と急反落した。その引き金となった急速な円高・ユーロ安のきっかけは、EU(欧州連合)のユーロ圏財務相会合やIMF(国際通貨基金)が16日に、キプロスに対して100億ユーロ(約1兆2200億円)を融資する代わりに、キプロスの金融機関の預金口座に、最高で9・9%の税金(課徴金)をかけると発表したことだ。
 口座からの預金引き出しを防ぐため、キプロス政府は16~18日、一部の預金封鎖を実施している。この決定が欧州信用危機の再燃に対する懸念を増幅させ、これがユーロ安・円高を加速させている。
 さて、課徴金の率は9.9%と伝えられているが、これは10万ユーロ(1220万円)以上の大口預金者が対象となる。10万ユーロ未満の預金者からは、預金残高の6.75%を徴収しようという案が浮上している。さらに、ここにきてキプロス政府は、少額預金者が課徴金の適用対象とならない基準の導入を検討していることを明らかにしたと伝えられている。つまり小口の預金しか所有しない庶民からの批判を回避しょうというのだ。
 実は、キプロスの銀行の大口預金者のかなりの部分は、国外のロシア人とされており、かねてから脱税(マネーロンダリング)に使われているとの噂が取りざたされてきたのだ。預金課税には、こうした預金者を一方的に救うことにならないようにする狙いがあるとみられている。そこには、EUとロシアの対立構造が見て取れる。
 ただ、日本時間の18日夕刻からスタートした18日序盤のユーロ圏債券市場では、イタリアとスペインの国債利回りが早くも大幅に上昇するなどの反応が出ている。

出所:株経通信(株式会社みんかぶ)