「配当落ち分の評価は難しいが、基本的には弱気形状」~黒岩の眼(夕刊)

「配当落ち分の評価は難しいが、基本的には弱気形状」
 本日の日経平均は22.17円高の12493.79円で取引を終了した。朝方から堅調スタートとなったものの、買い一巡後は小幅な値動き。配当落ち分(約89円)は早々に埋めたものの、その後の値動きは乏しかった。「やや材料不足」といった感じである。

 日経平均の日足チャートでは、短い下ひげが出現。押し目買い意欲の強さを示しており、相変わらず投資家の買い意欲は旺盛なようだ。

 ただ、昨日よりも出来高が減少しており、迫力不足は否めない。日銀総裁人事、配当取りなどの重要イベントを通過し、買い材料が乏しいのだろう。

 「窓理論」においては、相変わらず弱気形状である。配当落ちをどのように解釈するかは難しいところだが、表面上は弱気相場が続いている。基本的には下方の2つの窓(11933.82円―11946.01円、11779.42円―11803.09円)を目指すパターンであり、短期的には700円程度の下落余地がある。「えっ、700円も!?」と思うかもしれないが、この相場での700円はいたって普通の値動き。それだけ上昇してきたということだ。

 マーケットは新たな材料を待っている。相変わらず日銀の金融政策に対する期待は根強いものの、それだけで株価を買い上がることは不可能だ。海外市場との比較で割高感が目立っており、業績の裏付けが必要となっているからである。
そのような状況下、マーケットではリスクの足音が近づいている。それは何かというと、みんな安心しきっている欧州債務問題だ。

 まず、キプロスに関してだが、これは恐らく「取り付け騒ぎ」になるだろう。28日にも銀行再開と伝えられているが、根本的な解決策が見えてこない。小口預金者は依然として不安を抱えており、一斉に銀行から預金を引き出すことになりそうだ。キプロス政府やユーロ圏は、大口客の預金を一律40%カットし、この場を乗り切ろうとしている。ロシア政府の出方も不透明であり、もうひと波乱、ふた波乱ありそうだ。

 また、イタリアの政治的混乱も忘れてはならない。いまだ与野党の合意がなされておらず、再選挙の可能性が高まっているからだ。もし、イタリアで信用不安が起これば、キプロスの預金課税の前例もあり、市民は一斉に預金を引き出すだろう。欧州危機の連鎖がスタートするのだ。

 そのほかのリスク要因として重要なのは、やっぱり北朝鮮の問題だ。本日は北朝鮮が「朝半島は一触即発の核戦争状態」と安保理に通達しており、一段と危機を煽っている。北朝鮮が自らの発言で引くに引けない状態に陥る可能性もあり、「北朝鮮の暴発」には注意しておきたい。投資家は念のため、北朝鮮が韓国本土へミサイルを発射したくらいのシミュレーションを行う必要があるだろう。そのときどのように行動するのか、先物でのヘッジの仕方、何の銘柄を売り注文に出すのかなどなど、イメージ・トレーニングくらいはしておくべきであろう。

 そのようななか、本日は懐かしい話題もあった。あのホリエモンがめでたく出所したという話だ。ITバブルを彷彿させるようなアベノミクス相場の真っ只中、ホリエモンが火に油を注ぐのか、注目したいところである。

 そしてホリエモンがなぜ捕まったのか、改めて投資家は認識する必要があるだろう。簡単に言ってしまえば、権力に歯向かったからである。具体的には「フジテレビ」という奴らの持ち物に手を出したからだ。戦後の日本は国民を洗脳するために、TV局が必要であった。その洗脳装置であるTV局を買収しようとしたのだから、逆鱗に触れるのは当たり前である。国民をバカにする装置がTVであり、「考えない日本人」を創出する最適なメディアなのだ。

 もちろんこれは小沢氏秘書逮捕の陸山会事件にも通じるものがある。時を同じくして大久保、池田両氏が上告を断念し、明日の午前0時をもって有罪が確定する。米国にとって都合の悪い小沢氏をどうしても有罪にしようという力が働いていたわけだが、ついに秘書2人は力尽きてしまったというわけだ。対米隷属で突き進む安倍政権と、その対極にいる人たち。どっちが国民目線かといえば、もちろん後者であろう。

 安倍政権は7月の参院選で勝利すれば、憲法改正へと突き進む。そこで行われるのは、緊急事態と称して、国民の権利を奪うことだ。9・11テロのあと、米国で愛国法という名の法律が成立し、国民の権利を奪ったのと似ている。今度は「破綻国家米国のために日本が尖閣を舞台に中国と戦争」――そんなシナリオが用意されているに違いない。アベノミクスという株高に浮かれていると、本当に命を失いかねないのである。(黒岩の眼は3/29<金>夕刊まで無料公開します)