大口預金者への損失負担強制は大きな問題

長期的なリスク要因に
昨日の海外時間には、キプロスの救済案の条件となった預金保険(10万ユーロ以下)の適用外となる大口の預金に対する課税(もしくはヘアカット)に関する報道でユーロが上下しました。

まず欧州委員会報道官が「EUは各国共通のルールとして、銀行が破綻した際高額預金者に負担を強制する可能性がある」の述べたことからユーロが急落、しかし今度は独議員が「キプロス預金者の損失負担は他のユーロ圏諸国に対するひな型ではない」としたことから急反発する荒っぽい動きになりました。

何度も否定する報道が出てはいますが、月曜日のダイセルブルーム・ユーログループ議長による「そのほかのユーロ圏の前例とみなされるべき」との発言にしろ、この欧州委員会報道官の発言にしろ、個人的な意見を述べているとは考えられず、少なくともEU内ではこうした議論が進んでいる、と考えられます。

また、ECBとしてもキプロスの銀行への流動性供給の停止を条件に交渉を進めたということで、今後救済が必要な国が条件について合意できない場合に、トロイカが交渉で優位に立つためのツールを見つけた、と言えます。

もし今後他のユーロ圏国の金融システムに不安が生じた場合は、ECBをとEUは今回のキプロスとの交渉と同じようなパターンを繰り返す可能性が高いと予想できます。したがって、不安のあるユーロ圏内の銀行からは、今すぐではなくても資金が引きあげられると考えられ、その事がそうした銀行の経営状況を悪化させる原因となって、結果的にその国の金融システムの脆弱化を加速させる可能性があります。

この問題は短期的な問題ではありませんが、中長期的には大きなリスク要因になる可能性がありますので、その場合は再びリスク回避の円高となると考えられます。