「もみ合いスタート、弱気形状は維持」~黒岩の眼(朝刊)

「もみ合いスタート、弱気形状は維持」
 昨日の米国株式相場は高安まちまち。ダウ工業株30種平均は33.49ドル安の14526.16、ナスダック総合指数は4.04ポイント高の3256.52となった。また、シカゴ日経平均先物(円建て)は12490円付近での推移。したがって本日の東京株式相場はもみ合い相場からのスタートを想定。方向感の乏しい展開になると思われる。

 日経平均の日足チャートでは昨日、配当落ちがあったとはいえ、弱気形状を維持。上値の重さが目立っている。上方にファンダメンタルズの壁(割高の壁)が位置しているようであり、上値を抑えているのだ。

 本日は手掛かり材料難からもみ合いスタートとなるが、基本的には下値を試す順番。下方の2つの窓(11933.82円―11946.01円)を目指すことが予想され、短期的には700円程度の下落余地があるだろう。新たな好材料が出なければ、需給要因で下落するということである。

 そのきっかけとなりそうなのが、欧州の債務問題だ。昨日はキプロス危機の影響もあり、ユーロが一時120円台を割り込む場面もあった。本日にも銀行業務が再開され、一定の混乱が予想されている。預金の引き出し額は1日300ユーロに限定されるが、再び取り付け騒ぎのようなことが起こりそうだ。その流れがイタリア、スペインに波及すれば、欧州は再混乱必至となる。

 そして国際社会で新たな火種になりそうなのが、BRICSによる「開発銀行」設立の動きだ。米国を中心としたIMF・世銀体制に対抗する形となり、欧米社会は快く思っていないだろう。IMF・世銀体制とは、簡単にいってしまえば、新興国への高利貸し。比較的高い金利で新興国に融資し、その資金をもとに新興国の権益を欧米企業が奪うという構図である。今回のBRICS開発銀行設立は、そこからの脱却を狙ったものであり、これから欧米が何らかのアクションを起こすだろう。これが国際紛争の新たな火種となる可能性があり、その点は注視しておく必要がある。株価は材料不足から静かな動きとなりそうだが、底流では大きなうねりが起こっているのだ。(黒岩の眼の無料公開は3/29の夕刊までです)