「買い先行も上値は重い、デフレは続く」~黒岩の眼(朝刊)

「買い先行も上値は重い、デフレは続く」
 昨日の米国株式相場は小幅高。ダウ工業株30種平均は52.38ドル高の14578.54、ナスダック総合指数は11.00ポイント高の3267.52となった。キプロスの銀行営業再開で、大きな混乱がなかったことから、市場には安心感が台頭。S&P500が終値ベースで過去最高値を更新した。また、シカゴ日経平均先物(円建て)は12425円付近での推移。したがって本日の東京株式相場は買い先行の展開を想定。いったんリバウンドを試すものと思われる。

 昨日の日経平均は大陰線が出現。ローソク足で短い下ひげが出現したものの、強い底打ち感はない。価格帯別出来高ではすでにヤマを下回っている状況。売り圧力が強まりやすく、買い一巡後は上値の重い展開を強いられそうだ。

 その背景となりそうなのが、外国人投資家による売り転換である。昨日発表された先週の対内株式投資では2676億円の資本流出となり、19週ぶりの流出超となった。投資主体別売買動向でも海外投資家が918億円の売り越し。「外国人投資家が日本株売りに転じた」との見方が強まっているのだ。「個人投資家が高値をつかみ、外国人投資家が売り逃げる」――そんな構図になりつつある。

 そして先ほど、北朝鮮の金正恩第一書記が、ロケット部隊に対して発射準備命令を出した。アジアの米軍基地(韓国・太平洋)を標的にしており、にわかに緊張感が高まっている。

 ただし、この報道を受けての市場の反応は限定的。「どうせまた脅しにすぎない」との見方が優勢となっており、株式・為替ともにほとんど動いていない。

 でも、このような楽観的な見方は最終的に足をすくわれるだろう。なぜならば、このような緊張状態から偶発的な出来事によって戦争に突入した例はたくさんあるからだ。歴史を紐解けば、それは明らかである。

 米戦争屋にとって朝鮮半島の緊張状態は願ってもないチャンス。最近は米財政難から軍事予算が減らされており、予算獲得のために巻き返しを図りたいと考えている。「米戦争屋による意図的なテロ(もちろんこのテロは米軍が被害者になる自作自演)」を敢行し、戦争をおっ始める可能性だってあるのだ。そういったリスクも十分に認識し、今の相場と対峙しなければならない。「日銀が金融緩和するから円安・株高になる」だけでは、この荒波を乗り切れないのである。

 そして先ほど、2月の全国消費者物価指数(コアCPI)が発表された。前年比0.3%減であり、前回値0.2%減をさらに下回った。「デフレが続いている」ということであり、「このアベノミクスは何だったのか」というふうになりつつある。日銀がいくら緩和姿勢を強めても、実体経済は逆方向に向かっているというわけだ。

 もちろんCPIの悪化がさらなる量的緩和につながるとの観測はある。ただし、以前にも説明した通り、日本の金融システムは車に例えれば、ギアがローに入ったままだ。ローギアのままアクセルを踏み続ければ、タコメーターが悲鳴を上げる。スピードが出ないままエンジン音が鳴り続けることになり、車はかなりのダメージを受けるのだ。黒田日銀新体制が日本経済をぶっ壊す可能性があり、その挙動には注目しておきたい。4月3日・4日の日銀金融政策決定会合で、「通貨の番人」としての日銀のモラルが守られるかがポイントとなる。恐らく最終的にはビビって、通常モードの金融緩和しか実行できないと思われる。これがマーケットの失望を誘うと思われる。(黒岩の眼の無料公開は本日の夕刊までです)