<クローズアップ> 医療中心に期待高まる遺伝子組み換え技術(1)

 遺伝子組み換えについて新技術の研究開発が着々と進んでいる。最近では生物資源研究所がカイコを利用して予防効果の高いインフルエンザワクチン、独立行政法人森林総合研究所が花粉の出ないスギを開発したことが関心を集めた。遺伝子を操作することについて賛否両論はあるが、医療分野を中心に実用化への期待は強い。

 遺伝子組み換え技術は人工的遺伝子配列を変え、今までとは異なる遺伝子の組み合わせをつくり、自然な過程では起こらない生育を人為的に起こす技術で、遺伝子工学とも呼ばれる。生物学・医学に無限の可能性をもたらす一方で、バイオハザードの現実的な危険を訴える声や倫理的問題も指摘され、自主的規制の基礎的枠組みがつくられている。

 ただ、自主規制の枠組みの中で研究開発は大きく進んでおり、すでに実用化されている技術も多い。遺伝子組み換え技術で初めてつくられた薬はインスリンだが、医学・医療の発展の観点から欠くことのできない技術になっており、今後の研究開発成果へ期待は大きい。モラルやバイオハザードに触れるリスクをはらみながらも、経済活動に及ぼす影響も大きくなっている。

 最近では、山中伸弥京都大学教授のノーベル賞受賞で一躍脚光を浴びたiPS細胞もこの範疇(はんちゅう)に入る。本命視されている新日本科学<2395.T>は京都大学iPS細胞研究所とiPS細胞由来神経細胞による脳移植治療の安全性試験法について共同研究契約を結び、非臨床試験のノウハウを活用、パーキンソン病治療の安全性評価など臨床応用に必要な安全性試験の確立を目指している。

出所:株経通信(株式会社みんかぶ)