黒田日銀「異次元の金融緩和」スタート

政策金利目標撤廃!
世界中の注目の中、黒田新総裁率いる日銀金融政策委員会が2日間の開催を終え、追加金融緩和を決定しました。

事前の市場関係者の見方では「予想される緩和策はすでに織り込まれている為、実際に決定されても大きな影響はないだろう」「期待が大きいだけに失望感が出る可能性が高いのでは」などとされていました。

ところが今日の日銀の発表を受け、日経平均は450円余り上昇し、ドル円も3円近く急騰しました。

今回の決定のポイントはたくさんありますが、重要なものをまとめておきます。

まず第一に「量的・質的金融緩和導入」というタイトルで、これまでの金融緩和との違いを強調したことです。これまでの白川総裁体制でも金融緩和を進めてはきたのですが、その真意がうまく伝えられていなかった面があります。今回の会合では「量的・質的緩和」「次元の違う」などといったキーワードをうまく使う事で、黒田総裁の真意をわかりやすく市場に伝えた、と言えます。

非常に重要なのは、金融市場調節の操作目標を、これまでの一般的な政策金利(無担保コール(オーバーナイト物)の金利)の誘導目標から、マネタリーベース(現金+日銀内の準備預金)に変更した事です。これはまさに「次元が違う」と言っていいもので、主要国で政策金利目標を設けないというのは歴史的な事です。

こういった根本的なサプライズに加え、緩和の規模も予想以上の金額でした。マネタリー・ベースの拡大は年額60~70兆円に相当するペースで行います。また長期国債の買い入れはグロスで月7兆円(予想は4~5兆円)で、償還分を勘案して年50兆円の残高増加となります(従来20兆円)。しかも買入れ対象の長期国債の年限も、10年程度までとの予想と異なり、40年債までの全年限を含むとしました。

さらにリスク性資産であるETFやREITの買い入れ額をこれまでの2倍(ETF)から3倍(REIT)に拡大しました。

まさに、質的にも量的にも大幅な緩和強化となります。

有名無実となっていた「銀行券ルール」については、撤廃はしなかったものの一時停止を宣言して決別しました。

総合的に見て「次元の違う金融緩和」と言える、市場の期待以上の決定がなされたことで、一気に株高、円安が進みました。しばらくは今回の日銀の決定を受けた円安、株高基調が継続すと予想できますが、中期的には「3本の矢」の残りとなる「機動的な財政政策」と「民間投資を喚起する成長戦略」がどのような物になるのかが相場の流れを決めていくと考えられます。