<クローズアップ> 林業復活の切り札になるか「木材利用ポイント事業」(1)

 林野庁による「木材利用ポイント事業」が4月1日からスタートした。国産木材の需要喚起と住宅市場の活性化を狙ったものだが、衰退顕著な国内林業を甦らせ地方経済を浮揚させたい政府の思惑も根底にあることから、木材に関わる様々な関連企業への恩恵が期待できそうだ。

 今月からスタートした「木材利用ポイント事業」は木造住宅の新築に限らず、増改築の際に、住宅の内装材や外装材に木質素材を使用したり、木材製品を購入した顧客に対しても付与するもので、獲得したポイントで地域の農林水産品や商品券などと交換できるシステム。木造住宅を新築する場合で30万ポイント(1ポイント1円)が付与をされ、使用する木材は一部外材が認められているが、大半は国産材の使用に限定している。

 今回の「木材利用ポイント事業」を実施する背景には、この数年間に及ぶ円高を背景に、安価な輸入木材が急増し、国産木材の価格暴落が深刻化した結果、林業が急速に衰退するという状況が挙げられる。

 安倍首相は国土強靭化計画を推進するなかで、農業の育成を重点分野のひとつに挙げているが、これも衰退する地方経済を浮揚させたい意図がある。TPPにより外国産の輸入が拡大する懸念もあるが、これに備えて国内産業を育成・強化し、良質な日本製品を海外に輸出させたいという目的は、林業も同様で、まずは国内の需要を喚起させたい期待がある。

 品質面においても、国産のスギやヒノキは、耐久性に優れているとも言われる。木目が細かく、明るく澄んだ肉色で高耐久性を誇る秋田杉を含めて国産材の利点が再び認知されれば、今回の「木材利用ポイント事業」がキッカケとなり、再び国産材が勢いを取り戻す期待が高まる。

出所:株経通信(株式会社みんかぶ)