海外勢はすでに円売りポジションを拡大している

NYダウの動きに注意
先週の日銀金融政策決定会合で決定された「量的・質的金融緩和」の導入によって一段と円売りが強まっています。昨年秋には誰も想定していなかったであろう1ドル=100円は今晩にも超えそうな状況です。また1ユーロは130円台に乗せ、1ポンドは150円をを超えるなど、広範な円安相場が進んでいます。

ここへ来ての一段の円安ですが、80円台の上昇と同様に海外勢、特にファンド筋の買いが先行している模様です。日銀金融政策決定会合直後や、米雇用統計発表後に下がったところなどでかなりの規模の円売りポジションを作ったようです。

日銀の緩和では、今後発行される長期国債の約7割を日銀が買うことから、国内の機関投資家は黒田総裁が会見で述べたように外債や株を国債に代わって購入するだろう、との期待で海外勢は日経平均を買って、円売りを進めています。

海外勢はすでにポジションを拡大してしまっていますので、ここから短期間で円が一段安になるためには、そういった本邦勢が実際に円売りを進める必要があります。ただ、もしもそういった動きが短期的になかったとしても、貿易赤字が定着していますのでゆるやかな円安基調は維持される、と見られます。

ただ、本邦勢の本格的な円売りが活発化する前に、現在史上最高値を更新しているNYダウが反落するような動きとなれば、一旦ポジションの手仕舞いが加速して比較的大きな円高方向の調整がはいると予想できます。NYダウは昨年5月初めに一旦の高値を付けて約1か月で1300ドル下落したのをはじめ、2011年も5月始めに高値をつけた後8月にかけて約2200ドル下げるなど「Sell in May and Go Away」ということわざ通り季節的にも反落しやすい時期なので注意が必要です。