ドル/円は、4年ぶりの100円台回復を試す

G20消化で次の焦点は展望リポートへ
ドル/円相場は、改めて1ドル=100円の節目を試す展開になっている。

金相場の急落に端を発した株式・コモディティ市場の混乱状況に加え、 4月18~19日に20ヶ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議を控えてのイベントリスクに対する警戒感もあり、4月16日には一時95.80円までドル安・円高が進行していた。しかし、その後はリスク投資環境のパニック状態が収束に向かう動きと連動して、改めてドル買い・円売り圧力が強くなっている。加えて、G20で日本銀行の金融緩和策に対する批判が盛り上がりを欠いたことが、円売り基調が継続するとの安心感につながっている。約4年ぶりの100円台乗せまでのカウントダウンが始まっている。

前週は金相場の急落がリスクマーケットをパニック化させ、それが円買い圧力に直結した。足元では、その震源地たる金価格は戻り歩調を形成しているが、全般的に株式・コモディティ市況の戻りの鈍さは否めない状況にある。一時的な調整との見方が強い模様だが、中国の1~3月期成長率が昨年10~12月期から減速するなど、グローバル経済の成長見通しそのものが修正を迫られている可能性があり、ドル/円相場に対する影響にも注意が必要な状況になっている。

もっとも、本格的なリスク・オフの地合に発展する可能性は低く、米金融政策見通しに影響が生じるような事態にならない限り、ドル高・円安基調そのものを否定するような動きとは考えていない。足元では米金利低下に伴い日米金利差に縮小圧力が強くなっているが、一時的な現象との評価で十分だろう。

一方、G20財務相・中央銀行総裁会議であるが、日本銀行の展開している新たな量的緩和策については、「デフレ脱却と内需下支えを意図したものだ」として、通貨安政策との見方は採用しなかった。一部の新興国からは円安に対する批判的な論調も見受けられたが、現段階では「外圧」で金融緩和策が修正されるリスクは限定的との安心感がある。黒田日銀総裁は、「更に自信を持って適切に金融緩和を続ける」方針を示しており、日銀が着実に合意済みの緩和策を実行に移していけば、円が売られ易い地合には変化がない。

今週は26日に日銀金融政策決定会合が控えており、展望リポートでは物価見通しの上方修正が行われる可能性が高い。ここで日銀の思惑通りにインフレ期待を更に高めることができれば、円売り圧力が更に強まるきっかけとなろう。

リスクマーケットの極端な地合悪化を警戒しつつ、100円台にコアレンジ引き上げを試す展開を想定したい。下値目途は97.50~98.00円。