<話題の焦点>=海運業界、TPP参加が追い風に

 海運業界は、コンテナ船の運賃持ち直しやコスト削減で、13年3月期通期の累計業績は、黒字転換や、赤字幅の縮小となったもようだ。スタートした14年3月期は、足もとで低迷するドライバルク船の運賃が回復する可能性が高いと判断できるため、業績は本格的な回復局面に入る見通し。

 海運市況全般は現状厳しい局面から脱し切れてはいないものの、経済が好調な米国を牽引役とする世界景気の回復トレンドが、物流活性化への思惑につながる可能性が浮上している。ばら積み船運賃の国際指標のバルチック海運指数は、3月以降回復の兆しを鮮明にしている。安倍晋三首相がTPP(環太平洋経済連携協定)交渉参加を正式に表明したことも、物流活発化期待からプラス材料としてとらえられている。

 一方、海運株の株価は、ドライバルク船の運賃低迷もあり、直近1カ月間の業種別株価指数では他の業種に比べて大きく出遅れていた。今後、ドライバルク船の運賃回復が明確になるにつれ、株価も上昇基調に復帰する可能性が高い。

 なかでも、荷主との中長期契約の割合が高く、同業他社との比較で安定的な業績が見込める日本郵船<9101.T>は、13年3月期の純利益を60億円から190億円(前の期は728億円の赤字)に引き上げた。14年3月期は新造船供給がピーク超えてコンテナ、バラ積み貨物の運賃復調が見込める。

 商船三井<9104.T>は、エネルギー船や自動車船の好調に加え、前期計上した不採算船の減損がなくなることから、14年3月期は大幅な営業黒字転換が見込まれる。

 川崎汽船<9107.T>は、円安の追い風が加速する上に、LNG船などエネルギー関連や、ばら積み船の復調に期待が掛かる。

出所:株経通信(株式会社みんかぶ)