1ドル=100円はもう少し時間がかかる

機関投資家の動きがカギか
1ドル=100円突破は今日か明日か、と言われて3週間以上経ちますが、結局4月中にはドル円は100円の大台に乗せることができなかったようです。(まだ約10時間残っていますが)

1ドル=100円という水準は、前のエントリーでも書いたように月足一目均衡表の雲の上限(の少し手前)という以上の意味はないと考えていますが、そこを超えて円安が進むための条件はなんでしょうか。

ここまでの円安の動きの原因を考えると、日本の貿易収支の赤字化ということが底流にあったことも事実ですが、それ以上にアベノミクスによる異次元緩和に対する期待感を背景にした、海外投機筋を中心とした円売りが円安のスピードを加速した結果、短期間に80円から20円もの大幅な動きが実現した、と言えます。

黒田日銀による異次元緩和は、しばらくは現在の政策を継続しながら、各種経済指標の推移を見るという段階にはいっていて、追加緩和に対する期待で円安が進む状況ではありません。

ここからさらに貿易収支の赤字以上に短期間で円安が進むためには、日本の機関投資家などによる大規模な海外への投資が行われることが必要と考えられます。円売りをしている海外投機筋も、長期まで金利の低下が予想される日本の状況で、運用難から日本の機関投資家による海外投資が活発化する、と予想しています。

ところが、毎週木曜日に発表されている週次の「対外証券売買契約等の状況」を見ると、積極的に海外に投資を振り向ける動きは見られません。むしろ国外の債券などで利益が上がったものを利食う動きなどから資金流入の動きが続いています。(4月20日までの1週間で約9300億円の資金流入)

このように新年度入りした後も継続的に資金流入が続いていることが、円安が進まず、円の買戻しが強まっているひとつの原因と考えられます。最近の機関投資家向けアンケートなどでも、ヘッジ付外債投資(為替市場への影響は少ない)を増やすという答えはありましたが、ここから為替リスクを取って(ドルやユーロを買って)新規に投資をする、という回答はほとんどなかったようです。

中長期的には、現在の貿易収支の赤字が続けば、いずれ1ドル=100円以上の円安になると予想できますが、ここまでのスピードが速かっただけに、もうしばらく時間がかかるのではないでしょうか。