日本、再び緩和合戦で相対的に不利に?

相対的に後退
アベノミクスと、黒田総裁率いる日銀の「異次元緩和」に対する期待から円安が進んで、約一か月前に100円直前まで上昇したドル円ですが、相変わらず「近くて遠い100円」という状態が続いています。

日本は、米欧などに金融緩和で後れを取ってたことが行き過ぎた円高の大きな理由だったとして「異次元緩和」に踏み切ったのですが、このところ金融緩和という意味では、再び後手に回ってしまった可能性があります。
というのも、黒田総裁は4月の緩和決定後に「戦力の逐次投入はせず、必要な政策はすべて講じた」と強調して、当初市場はこの発言を好感したましたが、今となっては、追加緩和の思惑を遠のかせる結果にもつながってしまっているのです。

一方、4月の日本の追加緩和の以降、主なところでトルコ、ユーロ圏、オーストラリア、ポーランド、そして今日韓国が利下げをしています。各国とも追加緩和の可能性もあって、その点は日本とは少し事情が異なります。また米FOMCで量的緩和の拡大の可能性が示唆されたことも印象的でした。

その結果、「異次元緩和」で一歩リードした日本だったのですが、現在は相対的に後退する形となってしまいました。

また今日の韓国の利下げでは「最近の円安による韓国の輸出競争力低下などで低成長見通しが当分続くこと」もひとつの理由とされていたり、昨日NZ中銀総裁が「NZドル売り介入を行った」と発表した会見では「相場上昇の一因は日本の緩和政策にある」とされるなど、日本の緩和策による円安の動きをけん制する当局者発言も気になります。

週末のG20を前に日本の機関投資家による外債投資の本格化の目途が立たない状況の中では、100円突破よりも95円方向への調整の可能性が高くなったと考えられます。