ドル高の持続性を試す、日米金融イベントに注目

ドル建て金相場は再び現物買いのラインを試す
ドル/円相場は、1ドル=102円台中盤から後半まで値位置を切り上げる展開になっている。5月9日に100円の節目を突破したが、その後もドル高・円安傾向は持続しており、5月17日高値は103.31円に達している。103円台到達は2008年10月以来のことであり、リーマンショック直前のレンジ(100~110円水準)に突入している。

前週に引き続き、ドルサイドの動向が注目される展開になっており、ドル高の持続性が問われる局面とみている。米金融当局者から量的緩和第3弾(QE3)の縮小を巡る議論が活発化する中、6月18~19日の米連邦公開市場委員会(FOMC)に向けてドルが買われ易い地合になっている。

サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁は16日、「昨年9月以降労働市場が改善しているのは明白だ」と指摘して、「早ければ夏にも債券購入ペースを幾分減速」し、今年の遅い時期にはプログラムそのものを終了すると指摘している。またフィラデルフィア連銀のプロッサー総裁も16日、債券購入の縮小を支持すると発言している。

両総裁はFOMCでの投票権を有していないが、当局者から「出口」戦略に関する具体的なタイムスケジュールに関する発言が浮上する中、米国債市場に対しては売り圧力が強まり易い状況になっている。このまま米金利上昇圧力が継続すれば、日米金利差拡大の動きが緩やかなドル高・円安傾向を支持しよう。

22日には4月30日~5月1日開催のFOMC議事録公表も控えており、ここでの議論の展開状況にも注意が必要。同FOMCでは、資産購入ペースに関して「加速」と「減速」の双方がテーブル上にあることを示唆しており、マーケットに広がる早期出口の思惑を強くけん制していた。しかし、議事録で改めて緩和政策の縮小議論が確認されると、米国債売りの動きに弾みが付く形で、一段とドル高・円安が進むシナリオに注意が必要である。

一方、22日には日本銀行・金融政策決定会合も控えている。今会合では追加緩和策は見込まれておらず、これをきっかけに大きく円安が進むシナリオは描きづらい。ただ、市場金利上昇に対する検証を受けて、金利上昇を抑制する施策が打ち出されると、円金利低下と言う形での円安(ドル高)シナリオも浮上することになる。もっとも、金利環境についてはドルサイドのインパクトの方が決定的に大きく、参考程度に留まるだろう。各種経済指標、株価動向などからドル高の持続性を試す形で、ドル高・円安が進む展開がメインシナリオになる。今後1週間の予想レンジは101.50~105.00円。

ドル建て金価格に関しては、下落傾向に歯止めが掛からない状況にある。米金利上昇とドル高がドル建て金相場の上値を圧迫するフローにある。金上場投資信託(ETF)市場からの資金流出傾向にも歯止めが掛かっていない。

このため、4月下旬と同様に現物市場からのサポートが期待される所だったが、1オンス=1,300ドル台中盤でも現物買いは盛り上がりを欠いている。4月下旬はこの価格水準でパニック的な買いが見られたが、先安感から現物市場は買い付けに慎重姿勢を崩していない。現物市場の対応が見られるまでは、下値不安の払拭は時期尚早である。

円建て金価格も軟化しているが、ドル高を背景としたドル建て金価格下落局面では、円安が円建て金価格をサポートすることで、大きな値崩れは想定していない。4月16日安値の1グラム=4,132円を大きく下抜くハードルは高い。