<私の相場観>=東洋証券・ストラテジスト 大塚 竜太氏

 東京市場はアベノミクスへの期待が剥落したというわけではないが、FRBが量的緩和の早期縮小を示唆する構えをみせたことが、世界的な過剰流動性相場への警鐘と捉えられ、下げが一気に加速した。全体指数は日銀の「量的・質的金融緩和」導入発表時の4月初旬の水準まで、ほぼ往って来いに売られている。

 ただ、今回の大出直り相場のスタート地点である、昨年11月中旬からみれば時価はまだかなり貯金がある。9兆円超を買い越した外国人投資家にすれば、ここでポジションを縮小していったん利益を確保しておくのは日柄的にも自然であり、その意味で、健全な調整といってもよい。

 確かに、最近の値幅変動の大きさに不安を募らせる向きも少なくないだろう。今の相場展開を目の当たりにすると、投資家サイドとしても買い向かうには勇気がいる局面だ。しかし、明確な売り転換材料はない。株価は上にも下にもオーバーシュートするのが常で、ちょうど今は振り子が逆方向に振れ過ぎている局面とみている。ここからの押し目は、一貫して買い下がりで対処して報われる可能性が高い。

出所:株経通信(株式会社みんかぶ)