不穏なムードが市場を支配する中で米雇用統計が発表に

不穏なムードが市場を支配する中で米雇用統計が発表に
昨日のドル/円の大幅な下落については、様々な要因がその背景として指摘されているが、要約すると以下の2つに絞られそうだ。
(1)アベノミクス(特に成長戦略第3弾)への失望
(2)FRBによる早期緩和縮小に対する期待の剥落である。

つまり、(1)による円高(買戻し)と(2)によるドル安(売り戻し)が同時に発生したものと考えられる。
特に(2)については、本日の5月雇用統計発表前に、積みあがったドル買いポジションを整理するタイミングをうかがっていた投資家が多かったと言えるだろう。先行指標(ADP全国雇用者数やISM景況感指数の雇用項目など)に弱い結果が目立った事から雇用統計も強い結果は期待しにくいとの見方が広がったためであり、雇用統計の弱い結果は米量的緩和の継続観測につながる可能性が高いからだ。

いずれにしても、昨日(ここ数日)の一方的なドル安・円高については、過去数ヶ月間で積みあがったドル買い・円売りポジションの整理という面が強く、ドル/円相場の上昇トレンド自体を反転させてしまう動きとは思い難い。

本邦の貿易収支に赤字が定着している事から実需の為替取引については円売り超である事や、米国の景気はエネルギー革命により拡大期に入ったと考えられる事から、現在のドル/円相場が中長期的なドル高・円安トレンドにあるとの見方に変化はない。

とはいえ、こうした荒れ模様の展開の中で米雇用統計が発表される以上、目先的にはドル/円相場がもう一段下落する可能性を否定できないだろう。雇用統計の弱い結果はさらなるポジション調整を誘発する可能性が高い一方、強い結果となっても相応の戻り売りが出る可能性が高い。日本株の不安定な値動きから見ても、ドル/円相場が落ち着きを取り戻すにはもう少し時間がかかりそうだ。