市場の期待裏切るも判断は時期尚早

「資金供給オペの期間延長」は過度な期待だったのか
 11日の日経平均株価終値は、前日比196円安の1万3317円と大幅反落した。日銀が金融政策の「現状維持」を決め、多くの市場参加者から期待が寄せられていた「長期金利の安定化に向けた固定金利オペの期間延長」が見送られ、事実上の「ゼロ回答」となったことに対して落胆した結果といえる。「資金供給オペの期間延長」は市場の過度な期待だったのだろうか。

 日銀が4月4日に〝異次元緩和〟を導入した後、長期金利は波乱展開となり、指標とされる新発10年債の利回りは5月23日に一時、1%まで上昇。今回の決定会合では、長期金利の急上昇を抑えるために、固定金利方式の共通担保資金供給オペ(公開市場操作)の期間を、従来の1年間から2年以上に延期する対策の実施に期待が寄せられていた。オペの期間を延長すれば、当然のことながら資金繰りに余裕の出た金融機関が国債を購入しやすくなり、長期金利を安定化することになる。

 金融政策決定会合後の会見で、黒田東彦総裁は、最近の金融資本市場が不安定化していることについて、実体経済の前向きな動きを反映して次第に落ち着いていくとし、固定金利(0.1%)の資金供給オペの期間を延長することは、現時点では不要としながらも、将来必要になったら検討するとして、今後、金利が急上昇した場合の導入には含みを持たせている。黒田総裁としては市場を注視しつつも「資金供給オペの期間延長」は今回は必要なしとの判断のようだ。

 〝異次元緩和〟で華々しいデビューを飾ったものの、今回の会合では結果的に市場の期待を裏切った形となった。しかし〝異次元緩和〟にしても、「資金供給オペの期間延長」無しにしても、「インフレ率2%」の実現を黒田総裁の評価とするのであればまだまだ時期尚早である。