チャイナ・ショック!!

物差しが違う
 バーナンキ・ショックの後に市場を襲っているのが、チャイナ・ショックだ。フィッチ・レーティングスの試算によると、「理財商品」と呼ばれる中国の高利回り金融商品が、6月下旬に1兆5000億元(約24兆円)以上の償還を迎える。資金が足りず償還が難しい金融機関もあると噂され、中国の翌日物インターバンク・レートであるSHIBOR(上海銀行間取引金利)が急騰したにも関わらず、人民銀は本格的な資金供給を控える構えを見せた事が嫌気されて上海株式市場は大幅下落となった。昨日は中国人民銀の声明期待で安値から上海株は戻したが、チャイナリスクは、終息したように見えても残り火が常にあり、いつでも発火する危険な状態と見た方が良い。そもそも、マクロ指標自体が当てにならないのだから、自由主義市場で考えているような分析・予想、推定すること自体に無理がある。物差しが異なるのだ。「シャドーバンキング(影の銀行)」と言われる通り正確な実態は不明だが、東京新聞に掲載された記事によると、シャドーバンキングの規模は、2010年に約20兆元(320兆円)とされていたが、2012年には29兆元以上に膨張。2011年の国内総生産(GDP)の約66%に上り、日本のGDPとほぼ匹敵したと報じられている。
 今週に入り中国金融関係者の中でも、国有大手銀行も債務不履行に陥ったとの噂や、米中央情報局(CIA)元職員、エドワード・スノーデン容疑者を引き渡さなかった報復としてヘッジファンドを使った米陰謀説までも飛び交う浮足立った状況となっている。既にジョージ・ソロスは、リーマン・ショックの引き金となった「サブプライム・ローン問題と似ている」と警鐘を鳴らしており、中国が舵取りを誤ると、中国発の金融危機につながりかねない恐れもあろう。世界的な金融緩和政策が採られていた中、これまで新興国に流入していた資金がドル高と共に米国に還流していく流れが明確になっていく過程で、新興国リスクが高まる可能性には注意したい。これらは、新興国需要で買い上げられてきた商品市場にとってもマイナス要因となろう。チャイナリスクに関しては、金融危機にとどまらず、治安が悪化する中国国内リスクを、対外的な地政学リスク等に転嫁する事態も考えられる。可能性は低いと希望するが、そういった最悪の事態になった場合、現在、大きく売られている金(GOLD)が「安全資産」として脚光を浴びるのかもしれない。金価格の行方も並行してウォッチしていきたい。一方、自由主義とは物差しが違う訳で「強権的」な方策で、リスクを抑え込む可能性もあろうが、問題の先送りは事態を悪化させるだけと見る。