バーナンキ議長発言をうけドル急落だが。。。

FOMC後の会見と大きな変化はない
昨日のNY市場終盤から今日の東京時間早朝にかけてドル売りが急速に強まって、ドル円は98円台前半まで暴落し、ユーロドルは1.32台まで急騰しました。

きっかけはバーナンキFRB議長が講演の後の質疑応答でインフレ率が低いことや財政が緊縮的なことから「予見可能な将来において高度に緩和的な金融政策が米経済には必要だ」「インフレと雇用情勢はFEDのさらなる緩和を必要としている」と述べたことです。

また、失業率が7.5%まで下がっていることに関して「労働市場の健全性を過大評価している」として、表面的な数字よりも実際の雇用情勢の回復が遅れている可能性を示唆しました。

このことから早期に緩和が縮小されるのではないか、という懸念が大きく後退し、ドル金利が低下、ドル売り、という動きになりました。

この質疑応答では「失業率が6.5%を下回っても、必ずしも金利の引き上げにつながるわけではない」とも述べていますが、実は前回のFOMC後の会見でも全く同じ発言をしています。ただ、FOMC後の会見では、経済指標の推移が見通しどおりであれば、との条件つきではあったものの、2013年中の緩和ペース縮小、2014年の緩和(拡大)停止を示唆したことからドル金利の急騰を招いたのですが、今回は上に書いたように緩和の必要性を強調することで、逆の結果となりました。

前回も今回も全体の趣旨は変化がなく、結局は今後出てくる経済指標次第だが、今の見通し通りなら年内中に緩和ペースを縮小する、という事なのですが、それぞれマーケットが一部分を極端に強く受け止めた結果と考えられます。(縮小したとしても停止するのは来年半ば以降なので、それまでは緩和の拡大=さらなる緩和は続く)

このような現象はよくおこるのですが、その原因はポジションの傾き、ということで説明がつきます。株式市場や債券(金利)市場でも同じ事が起きているのですが、ドル円に限って言えば、前回FOMCの時にはそれほどロングができていない中で買う材料を探していたのに対し、昨日から今朝にかけては、100円以上で買ってしまったロングがたまっていて、損切の売りが膨らんだという事です。今日の相場に関しては、ドル円もそうですが、対ユーロでのドルロング(ユーロドルのショート)の巻き戻しが全体のドル売りをリードしたと考えられます。

大きな方向性としては、米FRBが緩和(拡大)を縮小、そして(拡大)停止に向かっているのに対して、これから緩和を拡大する日本、緩和継続を強調する欧州、英、という図式に変化はないので、中期的に全般的なドル高傾向が続くと予想しています。