【豪ドル】RBAが通貨安によるインフレに言及

景気減速とインフレの狭間で揺れる豪金融政策見通し
豪ドル/円相場は、1豪ドル=90~93円水準で揉み合う展開になっている。7月9日には一時93.07円まで上昇する場面も見られたが、その後はドル/円相場が軟化したこともあり、新たなトレンドを形成するには至っていない。結果的には6月中旬から続く89~93円をコアとしたレンジ内での展開に留まっており、ボラタイルながらも明確な方向性を打ち出せていない。豪ドルは対米ドルでも方向性を欠いている。

7月16日にはオーストラリア準備銀行(豪中央銀行)金融政策決定会合の議事録(2日開催分)が公表された。ここでは、「現在進んでいる為替相場の調整と、過去に行ったかなりの程度の金融刺激を考慮した上で、理事会メンバーは現在の政策スタンスを適切だと評価した」と緩和政策の有効性を確認した上で、「需要を支えるのに必要な場合に追加緩和を行う余地をなお残している」と改めて追加緩和の余地について言及している。

ただ、「インフレ見通しは通貨安によって若干押し上げられた」と、最近の通貨安によるインフレリスクへの言及が行われたことで、マーケットでは追加緩和の可能性がやや後退したとの評価が優勢になっている。まだ具体的なインフレ懸念について言及されるレベルには到達していないが、金融当局が「豪ドル安→インフレ」のフローに配慮を示し始めていることは間違いなく、豪ドル売りポジションの保有がやや警戒される状況になっている。従来よりも、豪ドル相場のダウンサイドリスクは後退したと見て良いだろう。

もっとも、オーストラリアの最大輸出先である中国の4~6月期国内総生産が前年同期比+7.5%と、1~3月期の+7.7%から鈍化する中、豪経済の減速に対する懸念を払拭するのも難しい。これから資源需要拡大の減速期に上手く対応できるのかは不透明感が強く、豪ドル相場の上昇余地も限定されよう。実際、6月の失業率は5.7%と2009年9月以来の高い水準を記録しており、依然として景気減速傾向に歯止めが掛かったのかは疑問視される状況が続いている。

豪ドルサイドから豪ドル/円の上昇余地は限定的とならざるを得ず、対米ドルでは豪ドルのボトム確認は先送りされよう。ただ、ドル/円相場を取り巻く環境は引き続き強気であり、ドル/円相場の堅調地合と連動して、豪ドル/円の底固さも再確認されると見ている。引き続き、緩やかなペースで戻り高値を更新する展開を想定している。