【米ドル】参院選挙でアベノミクス相場の継続を確認

米金利上昇一服で、ドル高・円安も一服中
ドル/円相場は、1ドル=100円の節目を挟んで揉み合う展開になっている。7月17~18日に行われたバーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証言はドル相場に対してネガティブな内容になったが、これを手掛かりにドル売りを進めるような動きは限定された。一方、週末の参議院選挙での自民党圧勝を受けての円売り圧力も限定されており、結果的に明確な方向性を打ち出せていない。

バーナンキFRB議長の議会証言では、資産購入の行方について、今後の経済環境次第という曖昧な態度を表明している。逆に資産購入拡大の可能性も存在することを強調するなど、フリーハンドを確保しておきたい意図が強く窺える。これは、少なくとも資産購入の縮小時期を急ぐムードにはなく、「米金利上昇→ドル高」傾向は一服している。

もっとも、同議長は年後半の資産購入縮小、来年半ばの資産購入停止という、6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で示した基本見通しは維持しており、これを手掛かりにドル安圧力が本格化するような環境にはない。加熱していた早期緩和縮小見通しが後退したことは否めないが、米金融政策の流れそのものは何ら修正される状況にはない。米金利はじり安傾向にあるが、比較的短期間で下げ止まることが可能と見ており、引き続き日米金利環境はドル高・円安傾向を支持する可能性が高い。

一方、参院選挙で衆参両院のねじれが解消されたことで、「アベノミクス」は今後も着実に進展することになる。国内投資家にとっては規定路線と言えるが、海外投資家がこれを手掛かりに再びドル買い・円売りポジションの構築に動く可能性はある。短期的には材料出尽くしとの見方が広がるリスクに注意が必要だが、これによって脱デフレ政策は着実に進行することになり、株高・円安傾向は維持されよう。ドル/円相場は緩やかなペースでの上昇が続くと見ている。

なお、ドル建て金価格は6月28日の1オンス=1,179.40ドルをボトムに、足元では1,300ドル台まで反発する展開になっている。上述のように米緩和政策の早期縮小観測が後退している影響に加えて、1,200ドル台前半でアジア地区からの旺盛な現物需要が確認されていることで、短期筋のショートカバー(買い戻し)が誘われている。もっとも、金上場投資信託(ETF)の売却傾向が維持されるなど、改めて金市場に投機マネーが流入するためのハードルは高い。ショートカバー継続でファンドの売り残高が軽減されるようであれば、1,350~1,400ドル水準を戻り目途に再び売り込んで行きたい。