【豪ドル】中国経済の減速懸念消化を進める

豪追加緩和期待は盛り上がらず
豪ドル/円相場は、1豪ドル=92円台を中心に底固い展開になっている。オーストラリア準備銀行(豪中央銀行、RBA)の追加金融緩和に対する懸念が後退する中、総じて戻り歩調を形成している。対米ドルでも豪ドル安圧力は一服しており、当面のボトムは確認したとの見方がショートカバー(買い戻し)を誘っている模様だ。ただ、改めて豪ドル相場を買い進むことに対しては慎重ムードも根強く、本格的に上値を試すような展開には至っていない。

7月24日に発表された7月の中国HSBC製造業購買担当者指数(PMI)は、6月の48.2から47.7まで低下した。これで前月比では4ヶ月連続の低下、活動拡大・縮小の分岐点となる50割れは3ヶ月連続隣、11ヶ月ぶりの低水準を更新している。中国経済の活動縮小の方向性には変化が生じていないことが確認された形であり、当然に資源輸出元である豪経済に対してはネガティブ材料になる。

ただ、前日に中国の李克強首相が今年の同国経済成長率は+7.0%成長がボトムラインになるとの見方を示していたこともあり、中国経済に対する懸念が豪ドル相場を押し下げる動きは鈍い。政府目標の7.5%成長は困難な状況になっているが、更に中国当局が金融経済システム改革のために犠牲に出来る成長率減速の下値が確認されたことが、中国リスクの軽減を促している。

一方、4~6月期の豪消費者物価指数(CPI)は前年同月比+2.4%となり、市場予測の+2.5%を下回った。RBAは7月2日に開催された金融政策決定会合の議事録において、通貨安によるインフレ見通しの押し上げに懸念を表明していた。しかし、実際には同期間の急激な豪ドル安にもかかわらず特にインフレ圧力は低下していないことが確認された形であり、追加緩和のハードルが高まらなかったと言う意味では、豪ドル相場に対してネガティブである。ただ、実際には特に追加緩和が急がれている訳ではなく、豪ドル相場の反応は限定されている。

引き続き、RBAの追加金融緩和観測が後退していることが、豪ドル相場をサポートする見通し。中国経済に関してもボトムラインが見え始めていることで、一段と豪ドル相場を売り込む材料にはなりづらくなっている。

引き続き豪ドルサイドからの上昇余地は限定されようが、米ドル/円相場の調整地合が一服すれば、米ドル/円相場の堅調地合と連動する形で、豪ドル/円相場の底固さも確認されると見ている。引き続き、緩やかなペースで戻り高値を更新する展開を想定している。