<日経平均急落の背景をよむ> 楽天証券経済研究所・シニアマーケットアナリスト 土信田 雅之氏

 日経平均は急速な下落となったが、明確な外部環境の変化は確認できず、下げ幅は大きくとも自然体の調整の一環と捉えられる。来週に相次ぐ重要指標を前にいったん買い方の手仕舞う動きが表面化し、先物売りと相まって下げの勢いが強まったものと解釈している。
 来週は国内では完全失業率や鉱工業生産指数、6月の住宅着工、海外では中国のPMI、米国でケースシラー住宅指数や米雇用統計、さらに欧州ではECB理事会など重要スケジュールが矢継ぎ早に控えており、これを見極めたいというニーズからポジションを軽くする動きが強まった。
 市場では中国景気減速に対する警戒感が強いようだが、そもそも中国の政策当局が目指すところは経済の低位安定飛行であり、ハードランディング回避への対策は打つが、積極的な景気浮揚を打ち出す構えにはない。マーケットもそこを理解して、中国景気のソフトランディングを徐々に織り込む流れとなるのを待つよりないところだ。
 ただし、中国ではシャドーバンキングの問題や地方政府の財務問題など金融システムに依然火種を抱えている。これは米国のサブプライム問題のように全世界に飛び火する可能性は少ないが、中国経済を急激に冷やす可能性を内包していることから注意が必要となる。

出所:株経通信(株式会社みんかぶ)