【米ドル】FOMCを前にドル買い戻しが膨らむ

QE3の出口とフォワードガイダンスの強化
ドル/円相場は、1ドル=98円水準まで軟化する展開に。7月30~31日に米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えているが、米金融当局者がフォワードガイダンス強化といった形で低金利政策へのコミットメントを一段と強めるリスクが警戒されている。米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は、インフレ率の上限のみならず下限も設定する可能性について報じており、低インフレ環境を理由に利上げは行わないとの強いメッセージを発する可能性がある。

量的緩和第3弾(QE3)に関しては年後半に資産購入の縮小、来年半ばに停止という方向性には変化が無いと考えている。ただ、その代替策として低金利政策を修正しないことを市場に周知させるフォワードガイダンスに傾斜する可能性が高まっている。

当面は、「QE3の縮小・停止」と「ゼロ金利政策の長期化」という相反する二つの材料の間で、米金利・ドル相場はともに明確な方向性を打ち出しづらくなる。米実体経済の改善傾向が強まる中、ドル高傾向には変化がないとみているが、QE3の縮小・停止によるドル高圧力を相殺する動きが見られる以上、その消化には一定の時間が必要とされる。目先は、ドルロングの解消圧力が、ドル/円相場の上値を圧迫しよう。90円台中盤から後半はドル買い・円売りを仕掛ける好機とみているが、8月2日発表の米7月雇用統計などをきっかけに再び金利上昇・ドル高圧力が強まるかに注目したい。

一方、日本の6月消費者物価指数(CPI)は前年比+0.2%となり、1年2ヶ月ぶりにプラスに転じた。政府がデフレ脱却の目安としているコアコアCPIは未だマイナス状態にあるが、これまでと比較すると下落幅が縮小されており、プラス転換も見え始めている。ただ、賃上げなどの効果は未だ限定されており、改めて円を売り込むことに対しては慎重ムードも根強い。円サイドは、引き続き手掛かりに乏しい状態に。

なお、ドル建て金相場は1オンス=1,300ドル台で明確な方向性を打ち出せず。米低金利政策の長期化観測が下値をサポートするも、商品市況全体が調整圧力を強める中、金価格のみ買い進むことは困難な状況にある。まだファンドの高水準の売り残高が残されているだけに、1,350~1,400ドルまで値位置を切り上げる可能性は排除しない。米低金利政策へのコミットメント強化の動きを手掛かりに、更にショートカバーが進む可能性は残されている。ただ、ドルの通貨価値を回復する流れに変化がない以上、改めて金相場が買い進まれるリスクは限定的と見ている。戻り売り方針で対処すべき相場と考えている。