雇用者増は規定路線?失業率に注目=外為どっとコム総研 神田卓也

雇用者増は規定路線?失業率に注目
本日最大の注目が米7月雇用統計である事に議論の余地はないだろう。ドル/円の値動きに対するインパクトの大きさはもちろんだが、今回の雇用統計が8月の為替相場のトレンドを決定付ける事になるかもしれない。

米FRBのバーナンキ議長は、FOMCが量的緩和の減額について、年内の開始と来年半ばの終了を想定している事を示唆したが、それは、あくまでも「経済状況次第」であり決定事項ではないと述べている。直近のFOMC声明が量的緩和の減額開始に関して手掛かりを全く示さなかったのも「経済状況」を確認する必要があったためだと思われる。

したがって、次回FOMCが開催される9月17・18日までの間に発表される経済指標の結果が、政策決定に重大な影響を与える可能性が高く、中でも雇用統計(米国の「経済状況」を確認する上で最も重要であると考えられる)が意思決定に与える影響は甚大だろう。

FRBは、失業率7.0%を量的緩和終了の目安としているとされ、6.5%をゼロ金利解除の目安として示している。6月の失業率は7.6%であり、今回7月については7.5%への低下が見込まれているが、仮に予想以上の改善となれば7.0%を視界に捉える事になる。

非農業部門雇用者の増加幅が20万人を大きく下回らない事が前提条件だが、失業率の改善度合いによっては、9月FOMCにおける量的緩和の減額開始を完全に織り込むだけでなく、減額のペースアップ(来年半ば以前の終了観測)やその先にある利上げ開始の思惑を再燃させる可能性がある。足元のドル/円の上昇を鑑みると、7月雇用統計の先行指標(ADP全国雇用者数や、ISM製造業景況指数を構成する雇用指数など)が良好な結果であっただけに、既にそうした思惑が浮上しつつあるのかもしれない。

もっとも、そうした思惑が高まっているとすれば、期待はずれの結果に対する失望も大きいという事になる。万一、7月の失業率が前月から悪化(7.7%以上)した場合はドル/円の下落は避けられず、8月のドル高・円安トレンドは発生しない可能性が高まろう。