「ドル安の8月」に95円になる可能性

米金利低下なら「運命の120日線攻防」再注目
 2日発表の米7月雇用統計が予想より悪く、ドル反落となった。そもそも、8月は経験的にドル安・円高になりやすい傾向がある。雇用統計発表前、まだ早期の米金融緩和見直し期待で米金利上昇気味の中で一旦跳ね返された「運命の120日線」を今度はついに割れるようなら、8月中に95円前後のドル安・円高リスクは射程内に入るが、果たしてどうか?
 1995年以降のドル騰落状況で、8月は6勝12敗。これは2月の8勝11敗を上回り、ドル安の最多記録だ。ちなみに、18年間で12回ドル安というのは、確率的には67%だが、これを2000年以降の13年間で見ると、10回、77%といった具合に上昇する。
なぜこのように8月にドル安・円高になりやすい傾向があるかといえば、7月の反動が入りやすい、日本の輸出企業が夏休みでドル売り・円買いの注文を一定水準で出したままにする傾向がある、8月中旬の米国債四半期定例入札などが、9月中間決算前のレパトリの始まりとなる、といったことが推測される。
 それにしても、そんな「ドル安の8月」、米7月雇用統計の雇用増加数は予想を下回り、FRBが9月から債券購入縮小を始めるとの見方が揺れ始めた。米金利は90日移動平均線からの乖離率でみると、異常な上がり過ぎの可能性があったため、この雇用統計の結果を口実に、金利の低下が広がる可能性は注目される。
 前回も書いたように、ドル円のリードオフマン、ヘッジファンドは120日移動平均線を売買転換点にしており、それは足元97円台後半。7月最終週にそれをドルが割れるかの攻防か続いた。上述のように、米雇用統計発表前で、米金利上昇の「応援」もあって、いったんドルは120日線割れを凌いだ。
 ただ、米金利低下となったら、それでも120日線を守り切れるだろうか。120日線をドルが一時的に割れたのは6月で、そこでドルは93円へ暴落した。改めて120日線割れなら「6月暴落」再現が注目される。
 8月は経験的には「夏枯れ」小動きで、ドル円平均値幅も4円程度だが、雇用統計前に100円を超えられなかったことから、今後目一杯ドル安・円高方向へ4円以上の値幅拡大になるなら、夏枯れの8月中にも95円程度のドル安・円高リスクは射程内に入る計算になる。(了)