“瞬発力はある”が“持続性は乏しい”?

リスク選好の高まり - ドル円上伸
※ご注意:予想期間は8月15日と表示されていますが、本日(14日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。

 前日に引き続き、昨日もドル円は上値を拡大する展開でした。

 「法人税率引き下げを検討」との一部報道をキッカケにしたリスク選好姿勢が、日経平均上昇と共にドル円を押し上げたからです。国内輸出勢のドル売りオーダー(97.50-70円)が一度はドル円の上値を押し留めましたが、米小売売上高への期待感が高まった欧州タイム序盤には早くも突破し、そして同中盤には98円台を回復する上伸を見せています。
米小売売上高は“まずまず” - ドル円を支援
 期待感が高まった米小売売上高でしたが、事前予想(+0.3%)を下回る+0.2%に留まる結果に終わりました。しかし前月分が+0.4%⇒+0.6%へと上方修正されるとともに、自動車・ガソリン等を除くコア指数がここ8ヶ月で最大の+0.5%となったことから、マーケットの捉え方は“まずまず”でした。こうして“QE(米量的緩和)の早期緩和・縮小への思惑”は加速し、NYダウが軟調スタートになる一方で、ドル円はジリジリと上値を模索し続けました。

 もっとも「QE縮小は景気の方向性が確実になってからすべき」「次回FOMC(9月)時点ではデータが足りない」というロックハート・アトランタ連銀総裁コメントが伝わったことで、NYダウは15,500ドルを一時突破する急反発をする場面も見られました。
レンジ上限を突破したが…
 こうした中で本日の展開ですが、“さらなる上値追い” VS “ポジション調整の円買いニーズ”がポイントと見られるところです。

 上述したように、「レンジ上限を突破」したドル円は、上値追いへの勢いが増しつつあります。日経平均の14,000円台乗せが意識されている「株高の連鎖」も、さらにリスク選好姿勢を加速させやすくしている感があります。一方で明日は「米国債利払い・償還(15日)」を控えており、これ伴うレパトリエーション(資金の国内回帰)ニーズが上値を押さえる可能性が拭えません。国内輸出企業が出しっぱなしにしているドル売りオーダーが、円売り・ドル買いペースを和らげる可能性も指摘されるところです。
ここからは主だった抵抗ラインが目白押し
 何より同水準(98円前半)から上は、主だった抵抗ラインが目白押しとなっています(50日移動平均線:98.30円、20日移動平均線:98.42円、100日移動平均線/日足・一目均衡表先行スパン下限:78.75円、日足・一目均衡表先行スパン上限:78.80円、20週移動平均線:99.00円)。このためここから先の一気の上値追いは、流動性低下を見越した“短期筋の無理仕掛け”が大部分を占めると考えるのが自然となります。当然、そうした動きは“瞬発力はある”が“持続性は乏しい”と考えるのが、こちらも自然となります。
“早過ぎるドル買い・円売り”に一旦調整が入る可能性…
 仮に同ラインを一気に突破すれば「100円の大台回復」は現実味を帯びることになってきますが、流動性低下局面における“早過ぎるドル買い・円売り”には一旦調整が入ると考えておきたいところです。
ドル円 抵抗・支持ライン
上値5:99.147(8/5高値)
上値4:98.996(20週移動平均線、大台)
上値3:98.787(日足・一目均衡表先行スパン上/下限、100日移動平均線、ピボット1stレジスタンス)
上値2:98.417(20日移動平均線、8/2~8/8の61.8%戻し)
上値1:98.302(50日移動平均線、8/13高値)
前営業日終値:98.199
下値1:98.000(大台)
下値2:97.880(日足・一目均衡表転換線)
下値3:97.592(8/13の50%押し)
下値4:97.376(8/8~8/13の38.2%押し、8/13の61.8%押し)
下値5:97.076(8/8~8/13の50%押し、大台)
※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。
13:29 ドル円 抵抗・支持ライン追加