“噂で買われた円”は“事実で売られる”…!?

“新興市場からの資金流出懸念”継続 - リスク回避の円買い
※ご注意:予想期間は8月22日と表示されていますが、本日(21日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。

 “QE(米量的緩和)早期縮小観測”を背景にした“新興市場からの資金流出懸念”は、昨日も継続しました。このためアジア株式は日経平均を含めて全面安となり、流入期待からユーロ等の欧州通貨が堅調に推移する反面、リスク回避の円買いが目立ちました。こうして円買いとユーロドルでのドル売りが重なったドル円は、NYタイム中盤に13日以来の安値となる96.897円・Bidまで一時売り込まれました。
FOMC議事録公表を控えた様子見ムードが下支え - ドル円
 もっとも“真空地帯”である“97.00-98.65円”のレンジから外れると、急にその勢いは減退していきました。翌日にFOMC(米連邦公開市場委員会)議事録の公表を控えるスケジュールも、様子見ムードとして下値を支えたと見られるところです。このためNYダウは5日連続の続落を見せたものの、米10年債利回りの上昇が一服(昨日は2.81%近辺)したこともあり、その後は97円前半での小動きに終始しました。
今回の議事録のポイントは…
 こうした中で本日の注目は、何といっても「7月30-31日開催分のFOMC議事録公表(発表予定は21日27:00)」となります。

 今回の議事録のポイントは、「失業率・インフレ等の数値目標に関する修正議論の有無」、「“QEの縮小・停止”と“金融引き締め(利上げ)”は異なると、改めて示された前回声明の背景」、そして「QE縮小の開始時期についてのニュアンス」と見られるところです。特に“QE縮小の開始時期”に関してはマーケットの見方が分かれており、内容次第で大きな波乱や急変動をもたらす可能性は十分にあり得るところです。
“噂で買われた円”は“事実で売られる”…!?
 NYダウの5日連続の続落や、一服したとはいっても2.8%台後半へ上昇した米長期金利、そしてアジア株式の全面安の背景にあるインド・タイ・インドネシア株式の年初来安値更新は、いずれも“QE縮小に絡んだ資金流出”を前倒しで織り込みにかかったと考えるのが自然です。このため仮に“9月縮小への思惑がさらに深まる”ようなことになっても、リスク回避姿勢という“噂で買われた円”が“事実で売られる”というセオリー通りの展開は十分に考えられるところです。ましてや“9月縮小への思惑が後退”となれば、なおさらです。
ただし発表までは神経質な展開…
 もちろん結果次第となることから、予断を持つことは控えておかなければなりません。また発表までは積極的なポジション形成は敬遠されやすく、神経質な展開となる可能性も考えておかなければなりません。それでも株安の懸念が後退しつつある現状では“昨日までの円高を調整動き(円売り)”を基本に置きつつ、あくまでも“97.00-98.65円”のレンジ内で“大きく揺れ動く”展開を想定しておきたいところです。
ドル円 抵抗・支持ライン
上値5:98.649(8/15高値)
上値4:98.343(50日移動平均線)
上値3:97.980(8/15~8/20の61.8%戻し、大台)
上値2:97.774(20日移動平均線、8/15~8/20の50%戻し、ピボット1stレジスタンス)
上値1:97.566(8/15~8/20の38.2%戻し)
前営業日終値:97.251
下値1:97.046(8/15-16安値、大台)
下値2:96.897(8/20安値、8/8~8/15の61.8%押し)
下値3:96.838(8/13安値、ピボット1stサポート)
下値4:96.475(8/8~8/15の76.4%押し)
下値5:96.373(ピボット2ndサポート)
※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。
11:35 ドル円 抵抗・支持ライン追加