開催決定で活躍期待の30銘柄

下馬評は五分五分、相場全般への影響大
2020年の夏季オリンピックの開催地が決定される9月7日(日本時間8日早朝)のIOC総会まで、あと2週間を切った。東京はイスタンブール(トルコ)、マドリード(スペイン)と開催地を争っているが、下馬評は五分五分。まさに、手に汗握るデッドヒートとなっている。

市場には「東京への招致決定なら関連株は活躍本番を迎える」と期待する声が多い。一方、落選に備え身構える見方もある。

2020年の東京での五輪開催が決定すれば、夏季としては1964年以来、56年ぶりとなる。高度成長期の象徴となった64年の五輪に対して、約半世紀が過ぎた今回の五輪は、〝脱デフレ〟に向けたカンフル剤的な効果を期待する声が市場には少なくない。

「東京五輪が決まれば、建設業界を中心に需要が拡大し、それが賃金上昇につながり、〝脱デフレ〟を目指すアベノミクスの強力な追い風となることは間違いない」と準大手証券のストラテジストは指摘する。
野村証券では、2020年東京五輪の経済効果は、「生産誘発額を含めれば名目GDPの0・3%に相当する2兆9609億円、東京都内では1兆6753億円」と試算している。
観光、スポーツも当然注目
今回の五輪では、「コンパクトな会場配置」など低コスト性を前面に出しているため直接的な経済効果は、それほど大きくないが、「五輪を機に今後の街や生活インフラをいかに創るかの副次的効果が重要」と指摘している。野村証券では、特に東京五輪開催がポジティブな影響を与える6銘柄として、大成建設(1801)、ALSOK(2331)、太平洋セメント(5233)、ゼビオ(8281)、三井不動産(8801)、JR東日本(9020)を挙げている。

大成建は、同社が元施工を務めた国立競技場の建て替えでの受注に期待。また、ALSOKは警備需要の増加が見込める。太平洋セメントはセメント需要の高まりが予想され、三井不動産は東京湾岸エリアに多くの土地を保有している。JR東日本は、品川エリア再開発に絡む。また、ゼビオはスポーツ用品販売を手掛け16年からの五輪競技に採用されるゴルフの売り上げ構成比が大きい点などが注目されている。

もちろん、観光・ホテル、スポーツ関連を含め五輪関連銘柄(下記参照)には幅広い需要が出てくるとみられている。

【活躍期待の東京五輪関連30銘柄】
●建設
 大成建<1801>|清水建<1803>|鹿島<1812>|五洋建<1893>|太平洋セメ<5233>|住友大阪<5232>
●都心再開発
 三井不<8801>|菱地所<8802>|東急不<8815>|住友不<8830>
●道路の補修・整備
 ショーボンド<1414>|PS三菱<1871>|NIPPO<1881>|ライト工<1926>|横河ブHD<5911>
●観光・ホテル
 一休<2450>|OLC<4661>|京成<9009>|京急<9006>|JR東日本<9020>|JAL<9201>|HIS<9603>
●広告・放送
 電通<4324>|フジHD<4676>
●警備
 ALSOK<2331>
●スポーツ
 アシックス<7936>|ミズノ<8022>|デサント<8114>|ゼビオ<8281>|コナミ<9766>
息長い相場に期待
足もとの相場はやや方向感に欠けるなか、ここ大成建設が新高値圏に上昇し、三井不動産が商いを伴い買われるなど、〝東京五輪〟関連銘柄への物色はいよいよ本格化しつつある。

ある市場関係者は「東京五輪が決定すれば、内需を中心とする関連銘柄の息の長い相場が期待できる」と予想する。「外国人買いのキッカケにもなり、日経平均株価の上放れも見込めるだろう」という。ただ、開催地決定を前に一度、関連銘柄へのポジションを落とす動きが出る可能性も指摘されている。
一方、東京が落選ならどうか。準大手証券のストラテジストは「決定の翌日は関連銘柄に落胆売りが出ることは避けられないだろう」と指摘する。

ただ、「五輪の関連銘柄は、都市再開発などのテーマに絡んでおり、売り一巡後は見直し買いが期待できるはず」とみている。東京五輪は、相場の一大注目材料となっており、市場関係者は、東京開催決定の一報を祈る思いで待っている。