〝有事のドル買い〟は昔し話か

シリア情勢に注意も相場落ち着きにより続伸
 米国などによる軍事介入の可能性も含め、シリアを巡る地政学リスクの高まりを受けて、27日の米国市場および28日の東京市場では、株安・債券高が進行した。一方、外国為替市場では、円が他通貨に対して全面高となった一方で、ドルは対円や対ユーロなどで軟調な推移となった。

 これまで、経験則のように言われてきた〝有事のドル買い〟とはならなかった。有事のドル買いは、戦争(有事)などが起こった場合、為替相場がどのように変動するのか分からないので、そのような際には、流動性のある米国通貨のドルを買っておけば安心できるるというもの。確かに大規模、長期的で深刻な場合は、有事のドル買いとなる可能性が高そうだが、特に最近では、必ずしも当てはまらないようだ。

 2006年の北朝鮮によるミサイル発射や、イスラエルによるレバノン進攻などの場合は、有事のドル買い現象に近い状態となった。半面、自国が当事者となった2001年の米同時多発テロや、2003年のイラク空爆の場合は、ドルが売られたと記憶している。

 また、米国がシリア内戦に対して、地上戦など本格的に軍事介入した場合は、米国の財政が再び悪化するとの懸念も、ドル売りの根底にあるようだ。

 なお、あす(30日)の東京株式市場は、外国為替市場での円相場の落ち着きなどを背景に、日経平均株価は続伸することになりそうだ。29日夕刻時点での外国為替相場では、1ドル=98円台前半での推移となっており、円安・ドル高傾向が維持されれば、30日の東京株式市場は買い先行のスタートとなる可能性が高い。