<話題の焦点>=紙・パルプ業界、値上げ浸透で業績回復へ

 紙・パルプ業界に業績回復の兆しが見えはじめてきた。日銀が12日に発表した7月の国内企業物価指数速報(2010年平均=100.0)によると、前月比で塗工紙は2.1、微塗工紙は1.4上昇した。8月の塗工紙・微塗工紙の指数も7月比でさらに上昇する可能性が高い。

 また、段ボール原紙・製品でも古紙価格上昇を背景とした値上げを模索する機運が高まっている。古紙の需給がタイトになってきたことで秋口は板紙まで値上げが拡大する可能性が高い。また、不動産、住宅など一部業界向けのチラシは増加傾向にあるとの見方が出ており、景気回復に伴う紙パ需要増の期待が浮上している。

 段ボール原紙の主原料である段ボール古紙について、今月1日からレンゴー<3941.T>が国内調達建値を1キログラム当たり1円引き上げて15円にし、王子ホールディングス<3861.T>、日本製紙<3863.T>も15円に引き上げる方向にある。

 王子HDは印刷用紙について、5月出荷分から20%以上の値上げを表明、段階的ながら徐々に浸透をみせている。14年3月期の営業利益は630億円(前期比20.3%)を見込む。

 日本製紙は、自家発電の余剰電力を活用した電力小売り事業に14年度から参入。販売電力量は年間30億キロワット時レベルに上る見通し。同社は既に計170万キロワットの発電設備を保有。自社グループ内での使用分を除く余剰電力は現在、電力会社などに卸売りしているが、今後は自治体や外部企業などへの小売りを手がけることを検討している。

 三菱製紙<3864.T>は、印刷用紙の価格改定が寄与して、14年3月期も営業利益は45億円(前期比35%増)を見込む。

◆主な紙・パルプ関連銘柄

銘柄(コード) 今期営業増益率   株価   PER

王子HD<3861.T>  20.3    398  13.1
日本製紙<3863.T>  19.3   1348  10.4
三菱紙<3864.T>   35.0     86  11.7
レンゴー<3941.T>   0.5    494   9.4

※株価は28日終値(単位:%、円、倍)

出所:株経通信(株式会社みんかぶ)