けっきょく大引けも、高値引け

後場失速の不安を跳ね除け、高値引け
後場、一段高から始まりました。
ちょうど、ドル円が、昼休みの間に99.20円台から、99.40円まで上昇してきていたということが大きいようです。

日経平均は12時40分には14758円が高値となりました。
いったん、14時前後に、押しが入ったものの、切り返しました。
土木建設、不動産など、五輪関連あるいは「脱デフレ」関連とも称するカテゴリーがにぎわった一日でしたが、一番懸念された後場の失速はなんとか免れました。
とくに重要な動きをしたのは、この関連のおそらく中核・重鎮銘柄と推測される新日鐵住金5401が年初来高値更新をしたことでしょう。

本日、中国・台湾など、中華文化圏(韓国も含む)は中秋節で休場です。
23日に再開予定。
香港市場は、本日は通常通りでした。

なにより、海外市場で重要な出来事は、インドのボンベイ市場が、なんと現在、年初来高値を更新して急伸中だということです。
すでに、底入れをしていたインドの株式市場ですが、ここもとの戻り相場から、昨晩のFOMCの結果を得て、新値を取ったという事実は、新興経済国家からの資金流出に歯止めがかかってきていることを如実に示すことでしょう。
増田足
増田足では、日経平均現物の6色分布(9月18日⇒9月19日)は上昇銘柄群が、86.2⇒88.4%。下落銘柄群が13.8⇒11.6%。
6色帯は、4日連続で「緑(上昇)」です。

日経平均現物・先物は、いずれも「先読み」がピンク(上昇)、「未来の窓」も連続のピンクです。
後場失速せずに、高値引けしたことは大変強い相場を示現したことになりますが、従来、高値引けの後、ろくなことが無かっただけに、3連休を控えて、明日の相場には要注意です。

ドル円の3日足は、「先読み」がブルー(下降)で、「未来の窓」もブルーが連続しています。
ちょうど25日足を割ろうとしています。ほぼ収斂している75日足あたりでほぼ値がためするのではないか、と期待される想定になっています。
とくに、今週は米国でクワドラプル・ウィッチング(日本のメジャーSQ)ですから、これもあって、昨晩米国市場は大きな上昇に拍車がかかってしまった可能性はあります。
ウィッチングを越えた後の、来週の相場を考えた場合に、一応警戒しておいたほうが良いでしょう。

(MACD好転)
本日の日経平均の急伸で、MACDは好転。ヒストグラムのプラス幅は再び拡大に転じました。
上昇の勢いが盛り返したわけですが、先週と同様、3連休であるということと、ドイツの議会選挙がこの間に予定されているということが、ネックです。

ドイツの議会選挙は、メルケル政権にとってかなり危うい状況だけに、万が一政府与党連合が敗退すると、市場はにわかにギリシャ支援問題が頓挫しかねないというリスクを、織り込み始めかねないでしょう。
見えないリスク
強気が市場を支配しているように見えますが、敢えてここでリスクを考えておきましょう。
非常に厳しいハードルと思われた14500円という水準を、本日は窓を空けて上放れたのですが、本日の大引けは失速せずに逃げ切りました。
ここで頓挫するということになると、警戒が必要なところでしたが、この課題は明日へ、もう一日持ち越しされます。
というのは、これだけ株高の条件が整ってきていて、多少円高であったとしても、欧米市場に比べてどうしても上がりきれない東京市場には、根本的になにか問題が潜在していると考えなければなりません。
一番わかりやすいのは、買い残がまだ多いということが指摘できるでしょう。
5月高値からすれば、信用の絶対期日は11月。
そこまで日本の指数は、上がるとはいえ、上値が重い状況を引きずらなければならないかもしれません。

あるいは、やはり10-11月の恒例の需給悪というものが、すでに足を引っ張り始めている可能性もあります。
なかなか見えてこないリスクですが、連休前のポジション整理の可能性も含めて、要注意です。
いずれにせよ、高値引けの翌日(明日の金曜日)は、あまり積極的なポジションのまま連休は迎えたくないところです。
サマーズ辞退→FOMCへの流れ~極東(東京市場)先取りの流れ
考えてみれば、今週、いきなりサマーズ元財務長官が、次期連銀議長の座を辞退したというニュースが駆け回りました。
ほかの候補者と比べて、サマーズ氏は金融政策に関しては「タカ派(量的緩和縮小派)」とみなされています。一方、バーナンキ議長のコピーとも言われるイエレン女史(ハト派)が急浮上しました。
このニュースの直後に、FOMCで金融政策の変更無しが決定されたわけですから、かんぐれば、「連銀の意向」としては、すでにサマーズ氏を「拒否」した段階で、政策変更無しがほぼ決定されていたとも考えられます。
このあたりが、昨日の東京市場の見切り発車的急伸ということだったのではないか、とも解釈できそうです。
マネーの動きは、ともすると極東から一番最初に始まるからです。

連銀議長の座は、大統領の専権事項ですが、当然ながら連銀の意向が相当影響しているはずですから、今回のサマーズ氏の辞退、FOMCの判断など、かなり長期にわたってまだ今後、量的緩和策の持続を前提としているようにわたしには思えます。
連銀が政策変更しなかった本当の理由
(雇用統計がまだ良好ではない)
間違いなく、連銀はまだ雇用情勢が、失業率こそ低下してきているとはいえ、それすらピッチは遅く、ましてや労働参加率が低いことから、雇用環境はけして良好とはいえない、という判断があったでしょう。
これは本筋の理由でしょう。
一方副次的な理由というのも考えられます。

(債務上限問題が未解決)
それは、債務上限問題がまだはっきりしていないという点です。
大統領府と野党・共和党では紛糾が続いており、前回ほどの混乱にはならないものの、まだ上限拡大が決定していません。
ここで政策変更をして、国債価格下落(長期金利の3%超えから、さらに急伸)ということになると、米国財政状況に悪影響が大きいと判断したのではないか、ということも指摘されています。
この見方の延長上には、今回のFOMCで政策変更をしなかったものの、債務上限問題が解決すれば、いつでも変更に踏み切ることがあるのではないか、ということになります。

また、バーナンキ議長自身、FOMCのような定期的な会合で政策変更するとは限らない、と随時変更可能だということも昨日述べています。

(新興国家への配慮)
もう一つの副次的な理由とは、ここでドル高が一段と進行した場合、対円では良いのですが、対新興国通貨では、由々しい自体を引き起こすリスクがあります。
新興国通貨は、5月以来、連銀が政策変更をするのではないかという織り込みから、一斉にマネーが流出しました。
それが、各国のインフレ傾向と、景気の悪化、金利の上昇という悪循環を引き起こし、問題となっていたわけです。
最近ではやや落ち着きましたが、これで米国の量的緩和縮小が決定されますと、新興国からの資金流出の第二ステージが始まりかねないということで、世界的な金融市場の混乱を増幅させるかもしれません。

96-97年のアジア通貨危機の再来を避けるためにも、まだ米国経済が完全に連銀の思惑通りには動いていないこととあいまって、ここは政策見送りとした、というものです。
これに素直に、てきめんに反応したのが、本日のインド市場の年初来高値更新という事実でしょう。
東京には有利
東京にとって今回非常に都合が良いのは、これでドル高が目先望めなくとも、旺盛な内需が期待されることでしょう。
ましてや、ドル高はなくとも、新興国がこれで一息つき、欧州市場もマイナス成長からプラス成長へと回帰しているだけに、外部環境は思ったよりは好ましいものに変わってきていると言えます。
為替の後押しを一段と期待することはできないにしても、外需の総体量は、増大していく傾向になると考えられます。

外需に頼り切った従来の景気循環ではなく、あるいはまた、内需が回復する一方で外需が失速するというシナリオでもなく、要は内需・外需の両輪が同時に回る景気循環へと、大きく好転していくことが期待できそうです。