<話題の焦点>=腫瘍を狙い撃ち!最先端の粒子線治療に注目

 ハリウッドの人気女優アンジェリーナ・ジョリーさんが乳がん予防のために乳房の切除・再建手術に踏み切ったことは大きな話題になったが、それと同時に注目されたのが乳房を切除しない、強力な放射線で腫瘍を狙い撃ちし、手術せずに完治を目指す「粒子線治療」だ。

 粒子線治療とは、放射線治療の一種で、前述のように体にメスを入れることなく、体内のがん細胞をピンポイントで狙い撃ちして死滅させる治療法。従来のエックス線やガンマ線に対し、粒子線は患部で線量が最大になるのが特徴で、がん細胞を死滅させる力も2~3倍ある。

 また、がん病巣にダメージを十分与えながら、正常細胞へのダメージを最小限に抑えることが可能なことから、骨肉腫など外科手術が難しい部位のがん治療にも有効で、1回の治療は20~30分、入院せずに働きながら治すことも可能だという。

 今年5月19日には、安倍晋三首相が佐賀県鳥栖市の「九州国際重粒子線がん治療センター」(サガハイマット)を視察し、「日本にしかできないことだから、国としても力を入れたい」とコメントしたとも伝わっている。

 現在は全てのがんに対応しているわけではなく、治療費も高額だが、がんの最先端治療として注目度は高い。機器の輸出や医療ツーリズムにも関連しているだけに、今後注目の材料となりそうだ。

◆主な粒子線治療関連銘柄

ステラケミ<4109.T> ホウ素薬剤をがん細胞に取り込ませて中性子線を照射するホウ素中性子捕捉療法で活躍
住友重<6302.T>   1998年に国内初の陽子線治療システムを国立がん研究センター病院に納入など実績多い
日立<6501.T>    高い照射精度を実現できるスポット走査方式陽子線治療システムを開発
東芝<6502.T>    重粒子線がん治療装置の実績多い。「高温超電導コイル」の開発なども寄与
三菱電<6503.T>   世界で初めて炭素線を使った粒子線治療装置を開発するなど粒子線治療装置の草分け

出所:株経通信(株式会社みんかぶ)