〝国家戦略特区〟が成長の原動力に

円高・ドル安傾向受け続落、〝国家戦略特区〟が成長の原動力に
 あす(26日)の東京株式市場は、3月期や9月期決算企業の9月末権利落ち日に当たり、配当落ち分は、市場推計で80円程度とされている。最近の米株式市場の軟調ムードや、外国為替市場で1ドル=98円台半ば(25日午後6時現在)水準の円高・ドル安傾向を考慮すると、日経平均株価は、即日に権利落ち分を埋めての上昇は難しそうだ。円相場が1ドル=98円台前半まで上昇してくると、輸出関連企業への業績懸念から買い手控え姿勢が一段と強まることになりそうだ。

 25日の東京株式市場は、前日のNYダウ平均株価が4日続落したことを受け売り先行となり、日経平均株価終値は、安値引けで前日比112円安の1万4620円。これで3日続落となった。配当権利取りを狙ったの駆け込み買いで、一時前日比プラス圏に浮上する場面があったものの大引けに掛けて売られた。

 市場関係者からは「株式市場は10月待ち」との声も聞こえてくる。これは、安倍晋三首相が、9月調査の日銀短観が発表される10月1日にも、消費増税導入の方針発表と、その消費増税の影響緩和効果も担う経済政策が明らかにされるためだ。さらにTPP(環太平洋経済連携協定)の大筋合意が見込まれるAPEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会議(7~8日)、また、成長戦略実行国会(15日以降)など、政策面での重要イベントが目白押しとみられるためだ。

 さらに、成長戦略実行国会で関連法案が提出されるなか、注目度が高いのが〝国家戦略特区〟だ。規制緩和の内容として、
(1)都心居住促進のための容積率・用途規制緩和
(2)企業の農業生産法人への出資制限緩和
(3)成田・羽田両空港の機能強化と都心アクセス改善
――などをはじめとした多くの項目が検討されている。

 政府が募集した特区に関する提案についても、多くの企業や自治体などから応募があり、先端医療や航空宇宙産業、次世代自動車に携わる企業への減税や、研究開発に伴う規制緩和など多岐にわたる提案がなされている。
腫瘍を狙い撃ち!最先端の粒子線治療に注目
 ハリウッドの人気女優アンジェリーナ・ジョリーさんが乳がん予防のために乳房の切除・再建手術に踏み切ったことは大きな話題になったが、それと同時に注目されたのが乳房を切除しない、強力な放射線で腫瘍を狙い撃ちし、手術せずに完治を目指す「粒子線治療」だ。

 粒子線治療とは、放射線治療の一種で、前述のように体にメスを入れることなく、体内のがん細胞をピンポイントで狙い撃ちして死滅させる治療法。従来のエックス線やガンマ線に対し、粒子線は患部で線量が最大になるのが特徴で、がん細胞を死滅させる力も2~3倍ある。

 また、がん病巣にダメージを十分与えながら、正常細胞へのダメージを最小限に抑えることが可能なことから、骨肉腫など外科手術が難しい部位のがん治療にも有効で、1回の治療は20~30分、入院せずに働きながら治すことも可能だという。

 今年5月19日には、安倍晋三首相が佐賀県鳥栖市の「九州国際重粒子線がん治療センター」(サガハイマット)を視察し、「日本にしかできないことだから、国としても力を入れたい」とコメントしたとも伝わっている。

 現在は全てのがんに対応しているわけではなく、治療費も高額だが、がんの最先端治療として注目度は高い。機器の輸出や医療ツーリズムにも関連しているだけに、今後注目の材料となりそうだ。

◆主な粒子線治療関連銘柄

・ステラケミ<4109> ホウ素薬剤をがん細胞に取り込ませて中性子線を照射するホウ素中性子捕捉療法で活躍
・住友重<6302>   1998年に国内初の陽子線治療システムを国立がん研究センター病院に納入など実績多い
・日立<6501>    高い照射精度を実現できるスポット走査方式陽子線治療システムを開発
・東芝<6502>    重粒子線がん治療装置の実績多い。「高温超電導コイル」の開発なども寄与
・三菱電<6503>   世界で初めて炭素線を使った粒子線治療装置を開発するなど粒子線治療装置の草分け