<話題の焦点>=実証実験スタート!可能性秘める浮体式洋上風力発電

 古河電気工業<5801.T>と清水建設<1803.T>は2日、福島沖で設置工事が続いている浮体式洋上風力発電設備と変電設備がケーブルでつながったと発表した。同プロジェクトは三井造船<7003.T>や日立製作所<6501.T>、三菱重工業<7011.T>、ジャパンマリンユナイテッドなど国内11の大手企業・大学が参加し、技術を結集して進めていた実証実験プロジェクト。海に浮かんだ発電設備と変電設備をつなぐケーブルを実際の海域で敷設するのは世界初のことで、送電試験などを経て11月上旬にも発電を始める予定だ。

 浮体式洋上風力発電とは、洋上風力発電の一種で、発電設備を海底に固定せず、ケーブルなどで係留させた構造物上に風車を設置して洋上で発電する方式のこと。陸上では、低周波の問題や環境保護の観点から立地が難しく、また、風向きが変わりやすいなどの難点もある。洋上風力発電はこれらの難点を補う方式で、排他的経済水域を含めれば世界第6位の領海を持つ日本にとってメリットは大きい。

 一部では、洋上風力発電には16億キロワットの導入ポテンシャルがあると推測されているが、これは環境省などが試算した太陽光発電(非住宅系)の導入ポテンシャル1億5000万キロワットに比べはるかに大きい。ネックはコスト面で、設置コストや運用コストの低減がどこまで図れるかが今後の実証実験の注目点となろう。

◆主な浮体式洋上風力発電関連銘柄

清水建<1803.T>   浮体式洋上風力発電設備の施工を担当
新日鉄住金<5401.T> 浮体向け鉄鋼や浮体固定のための鎖などを供給
JFEHD<5411.T> 合弁会社ジャパンマリンユナイテッドが浮体式洋上サブステーション建造
IHI<7013.T>、古河電工<5801.T>  電力送電のための海底ケーブルを製造
日立<6501.T>    ダウンサイド型風車を製造
三井造<7003.T>   傘下の三井海洋開発と浮体を製造
丸紅<8002.T>    福島県沖実証実験のプロジェクト統括を担当
三菱商<8058.T>   欧州などで洋上風力発電事業を手掛ける

出所:株経通信(株式会社みんかぶ)