デフォルト回避も、問題が先送りされただけ

三角保合いが放れなければ、ボックス入りも要想定
米上下両院は16日、連邦政府閉鎖の解除と債務上限の引上げ法案をギリギリの段階で可決した。同法案(H.R.2775)は、来年1月15日までの「つなぎ法案(継続予算決議)」、および来年2月7日までの債務上限引上げに加え、12月13日までに追加の財政赤字削減に関する合意を目指す超党派委員会を設置するもの。
 同委員会は与野党メンバーで構成され、合意案は来年1月15日以降の歳出に反映される。今回のギリギリの決着で年明けまで安心との見方もあるが、共和党が引き続きオバマケアの変更を求めていることや交渉期間が短いことから、12月半ばまでに合意に至る可能性は低い。12月には再び「つなぎ法案」や債務上限を巡る与野党交渉が再開される可能性が高いだろう。チキンレースの茶番劇は繰り返されそうだが、ちょっとしたブレーキの踏み間違えで、一時的に崖から転落するリスクは潜在したままだ。民主主義の悪い側面が出ている格好だが、一部の政治家の方にとっては、一時的なデフォルトで世界が混乱しても、自らの懐は大きく痛まない。それよりもメンツが大事と考える部類の方がいるのは大きな波乱要因だ。保守強硬派の草の根運動「ティーパーティー(茶会)」系の共和党議は、連日のようにホワイトハウス近くで集会を開催。オバマ大統領を「社会主義者」と呼び、大統領が1期目に成立させた医療保険改革法の骨抜きを誓っている。ウォーレン・バフェット氏は、これらの動きを政治がもたらす「破壊兵器」だとの認識を示している。

 今後は連邦政府閉鎖の成長率に対する押し下げ幅、および延期された経済統計の発表が、FRBの金融政策にどのような影響を及ぼすかが焦点となる。3週間程度の連邦政府閉鎖は10-12月期実質GDP成長率を約0.3pp押し下げたとの試算が出ている中、米国の緩和縮小の時期が大きく後方にずれ込む可能性も浮上している。これは、ドルにとっては上値抑制要因で、デフォルト回避となってもドル円は三角保合いを上に放れずにいる。下値は200日移動平均線で下支えられたが、上値も重く、徐々に三角保合いがボックスでの保合いに変化していく可能性も想定しておきたい。