優遇税制廃止で本当に膨大な“節税売り”は出るのか

上値の重さ意識し反落、米雇用統計発表を前に手控え
 22日の東京株式市場は、上値の重さが意識される展開が予想され、日経平均株価は反落となりそうだ。政府機関の一時閉鎖に伴い、公表が遅れていた米9月の雇用統計の発表を目前にして、これを見極めたいとの姿勢から買い手控えムードが一段と強まることも想定される。

 21日の東京株式市場は、前週末の米国株高を受けた外国人のリスク許容度拡大期待などを背景に終始買いが先行。日経平均株価終値は、前週末比132円高の1万4693円と反発した。ただ、東証1部の売買代金は1兆4557億円と極端な薄商いが続いている。現物株市場の薄商いが続くなかで、株価指数先物主導で、寄与率の高い値がさ株が集中物色され、日経平均株価がかさ上げされる傾向が強まっていることには注意が必要だ。
個人投資家の節税対策
 上場株式などの譲渡益課税を10%(復興特別所得税込みで、現在は10.147%)とする2003年からの特別措置は、13年12月で打ち切られ、14年からは20%(復興特別所得税込みで20.315%)に引き上げられる。上場株式などには、公募株式投資信託、外国有価証券市場で売買されている株式なども含まれる。

 長年続いてきた“優遇税制”が終了することで、市場関係者のあいだには、「税率が10%のうちに保有株式を売却して現金化する」個人投資家の“節税売り”がかなり出て、これが全体相場の低迷にもつながりかねないという懸念が広がっている。

 確かに、単純計算で100万円の利益が出ている銘柄を今年中に売れば、10万円の税金で済むものが、来年になると20万円に膨らんでしまうのでは、「いったん売却しておこう」と考える投資家が出てくる可能性は高い。

 ただ、その売りはそんなに広がらないのではとの見方もある。大手オンライン証券の役員は「現在、個人投資家の株取引は、売買代金ベースで80%以上をオンライン証券が占めている。税率の引き上げに対しては当然ネガティブに考えているものの、オンライン証券に口座を持つ投資家の平均的な売買頻度はかなり高いことから、年内に保有株の多くを売却して、そのまま株式取引から遠ざかるケースは少ないのではないか」としている。

 さらに、今後年末に掛けて東京株式市場に先高期待感が強まれば、“節税売り”の個人投資家の姿勢が大きく変化する可能性もある。