【米ドル】 米雇用統計は早期の緩和縮小を支持せず

米金利の低下傾向が続く
米ドル/円相場は、10月17日の1ドル=99.01円をピークに、97円台中盤まで軟化する展開になっている。米連邦債務上限引き上げを巡る議会の混乱は一服するも、米経済成長見通しの悪化から金融緩和政策の長期化は避けられないとの見方が強まる中、改めてドルが売られている。対ユーロではドルが年初来安値を更新しており、引き続きドルサイドの動向が主導権を握る相場展開になっている。

10月22日には9月米雇用統計が発表されたが、非農業部門就業者数は前月比+14.8万人に留まり、市場予測+18.0万人を大きく下回った。米政府機能閉鎖の影響で経済統計の入手が遅れる中、マーケットでは同統計の発表前から既に米金融緩和政策の長期化に対する警戒感が広がっていた。このため、雇用統計を受けて改めて金融緩和の早期縮小議論に弾みを付けることができるか否かが注目されたが、結果的には寧ろ現行の緩和政策維持を支持する内容になっている。これによって10月30日の米連邦公開市場委員会(FOMC)は言うまでもなく、バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長が従来から繰り返し主張してきた「年内の債券購入縮小」スケジュールも疑問視される状況となり、米金利低下・ドル安圧力が強くなっている。

もっとも、米10年債利回りは既に6月下旬の水準まで到達しており、ここから更に日米金利差が大きく拡大するリスクは限定的だろう。米金融緩和が縮小方向にも何ら変化は見られず、ドル高・円安トレンドにおける一時的な調整圧力との理解で十分と考えている。日本銀行は量的緩和を着実に拡大させており、日米金融政策環境の違いを考慮すれば、ドル高・円安トレンドの修整は依然として困難だろう。ドルの押し目は、引き続き買い拾っていきたい。

テクニカルでは、一目均衡表の雲下限98.34円が抵抗線となり、99円台回復でブレイク。サイコロジカルは、前週の6勝6敗から5勝7敗に。14日RSIは45.34。

今後1週間の予想レンジは、96.50~99.25円。

注目イベント。
【 米国 】
10/28(月)9月鉱工業生産指数
10/29(火)9月生産者物価指数
10/29(火)9月小売売上高
10/29(火)8月S&P/ケース・シラー住宅価格指数
10/29(火)8月企業在庫
10/29(火)10月消費者信頼感指数
10/30(水)10月ADP雇用統計
10/30(水)9月消費者物価指数
10/30(水)FOMC
10/31(木)新規失業保険申請件数
10/31(木)10月シカゴ購買担当者指数
11/01(金)10月ISM製造業指数

【 日本 】
10/29(火)9月失業率
10/30(水)9月鉱工業生産指数
10/31(木)9月住宅着工件数