年内三角保合下抜けの可能性も、打つ手はある

年内三角保合下抜けの可能性も、打つ手はある
日経平均は5月以降三角保合に入っている。アベノミクスへの期待減少、証券優遇税制終了、年明けのNISA、4月の消費増税などにより、年内下抜けの可能性は否定できない。とはいえ、銘柄回転によりそれなりのパフォーマンスは確保できるものだ。
世界に後れをとる日本株
世界の株式市場の時価総額はこの10月末に約63兆5000億ドルと、2007年10月の約62兆8000億ドルを上回り、6年ぶりに過去最高を更新した。米株は2009年2月に底をつけたが、米株が最高値を更新中なのが大きい。米企業は、世界の上場企業の株式時価総額の1位から9位までを独占している。1位のアップル社の時価総額だけで、世界の株式市場全体の1%近くを占めているのだ。高値更新の背景は金融緩和、カネ余りに加え、景気回復の兆しが見えてきたことだ。

一方、日本の東証株価指数は2012年6月に底をつけ、同年11月から13年5月まで急騰したが、その後はもたついている。米国同様、量的緩和によるカネ余りと、景気回復期待が株価を押し上げているが、5月までに上げ過ぎたために、以降は下値は固いが、上値も重いという三角保合に入っている。私はいずれカネ余りが効いてきて上抜けすると見ているが、年末までに上抜けるかどうかは分からない。

5月までの株価上昇は、実際の売買主体を見ると、海外勢の「債券から株式への資金大移動」によるところが大きいが、それをアベノミクスという格好の材料が支えていた。それがこのところ、当初の輝きをなくしたことがもたつきの要因だ。少なくとも、海外の投資家は規制緩和や構造改革なしの景気回復は長続きしないと見ている。

日銀の黒田総裁などは、消費税率引き上げで景気が後退するようなことがあれば、日銀として打つ手があると言明し、量的緩和の拡大、あるいは延長継続を示唆した。ところが、海外勢は量的緩和による景気刺激は、実質的に円安誘導による景気拡大ではないかと疑い始めているのだ。まだ米国は日本を名指しで攻撃していないが、10月末にはドイツが輸出主導の景気回復を攻撃された。規制緩和や構造改革といった面からも、株価の年内の上抜けは難しいかもしれない。
証券優遇税制終了とNISA
また、株式や投資信託などから得られた配当や譲渡益に対する10%の軽減課税の特例措置は、2013年12月末で終了する。来年からは所得税、地方税合わせて20%の課税対象となるので、年内には節税のための売り物が予測できる。アベノミクスに期待できない、来年4月からは景気後退につながりかねない消費税率も上がるとなればなおさらだ。

実は、私も以下のような相談を受けた。「以前取得した株式が分割などで、約100万円になっている。値上がりすると思っているので、ずっと持っていたいが、NISAについて教えてくれないか?」

私は、「NISA口座を開き、年内に株式を売却し、年初に同じ銘柄を100万円にできるだけ近い株数買い戻せ」と助言した。もちろん他の銘柄を買ってもいい。仮にその銘柄が年末年始で10%以上値上がりすれば、損するようにも見える。しかし、将来200万円、300万円に値上がりしたとすれば、値上がり益100万円、200万円に、20万円、40万円課税されるのと、非課税なのはどっちが得だろうか? NISAならば配当にも非課税だ。こういった考え方が浸透してくれば、年内に三角保合上抜けどころか、いったんの下抜けすら予測されてくる。

NISAについては、「貯蓄から投資へ:NISAの概要と、活用法」に詳しい。
※関連リンク参照

私自身はいったん底打ちした銘柄を10銘柄ほど常に保有し、値上がりした銘柄を他の底打ち銘柄と入れ替えることで利食う手法で、常に上抜けを期待しながらも実現益を積み上げている。今後、上抜けがなくても、そういった実現益の積み重ねが当初の投資金額を超えれば、それも良しといったやり方だ。実際に機能するので、ご興味のある方はセミナーに来て頂きたい。