100円台半ばの重さを払拭できるか?=外為どっとコム総研 神田卓也

やや弱含むも調整の範囲内
東京市場のドル/円は、株価の小反落を眺めて一時99.90円台へ下落するなど、やや弱含みの推移となった。もっとも値幅は30銭未満と小さく、あくまでもポジション調整的な値動きにとどまっている。
夕刻以降に重要イベントを控えているため、積極的な売買は手控えられたようだ。
重要イベント盛りだくさん
本日は、(1)本邦公的年金の運用改革に関する有識者会議の提言(17:30)、(2)米10月小売売上高(22:30)、(3)米FOMC議事録(28:00)などの重要イベントが予定されており、それぞれがドル/円を動かす材料となり得る。
ドル買い傾斜へのハードルは高そう
(1)については、海外勢を中心に、本邦公的年金による海外投資活発化(=円安)への期待が強いが、9月の中間報告から大幅な上積みはないと見られている。期待値と実際値の差が円買いを誘うリスクがあろう。
(2)と(3)に関しては、米量的緩和の縮小開始をめぐる思惑に影響すると見られるが、(2)の米小売売上高は、政府機関の一部閉鎖などの影響から前月比+0.1%と小幅な伸びが見込まれているが、10月雇用統計のような大幅な上ブレがあるかが焦点だ。(3)のFOMC議事録(10/29・30開催分)は、声明の内容が「思ったほどハト派的ではなかった」と受け止められてドルが上昇したが、これは、声明発表当時は米国経済の先行きに懸念が広がっていたためだ。
10月雇用統計などの好結果から米景気の失速懸念が後退しつつある中で、「思ったほどハト派的ではない議事録」が発表されてもドル買い材料にはしにくいと見られる。
これらの材料を俯瞰すると、ドル/円の一段の上昇につながる公算は小さく、100円台半ばの上値の重さを払拭するには至らないだろう。