足元調整も建設株が人気化:200兆円の超巨大プロジェクト

手控えムードで軟調推移、円安一服が上値抑える
 12日の東京株式市場は、買い手掛かり材料に乏しい地合いが継続するなかで、日経平均株価は軟調な推移が予想される。外国為替市場で、円相場が1ドル=102円台前半とやや円高・ドル安傾向で推移していることなどから、買い手控えムードが一段と強まりそうだ。

 11日の東京株式市場は、前日の欧米株安を受けて売り先行、後場は株価指数先物主導で下げ幅が200円超に広がる場面もあったが、日経平均株価終値は前日比96円安の1万5515円となった。東証1部のTOPIX(東証株価指数)の業種別では33業種のうち上昇したのは情報・通信、建設のわずか2業種に限られ、小幅ながらほぼ全面安商状の実態となった。

 市場関係者からは「外国人の市場参加者が減少傾向をみせるなか、年内で証券優遇税制が廃止されることに伴う個人投資家からの利益確定の売りが継続している。日経平均採用以外の銘柄に値を消すケースが目立っている」との声が聞かれた。
全般軟調相場のなか建設株が人気化
 全般軟調ムードが支配した11日の東京株式市場で、一人気を吐くかたちとなったのが、準大手・中堅の建設株だ。東証1部の値上がり率上位に熊谷組<1861>、飛島建設<1805>、東急建設<1720>、鉄建建設<1815>などが名を連ねた。

 ほぼ全面安商状のなかで、建設株が買い人気を集めたのは、安倍政権の推進する「国土強靭化政策」に動きが出たためだ。古屋圭司国土強靱化担当相は10日、「国土強靱化基本法」が4日に成立したことを受け、来週中に安倍晋三首相を本部長とする推進本部を設置し、初会合を開くことを明らかにした。

 2011年3月の東日本大震災で、国土強靭化の必要性を痛感した自民党は、1年前の12年12月の総選挙の公約に「国土強靭化」を掲げ、防災対策を推進することを盛り込んだ。「国土強靭化」は、今後10年間に国と地方の公費で100兆円、民間資金をあわせて合計200兆円を投資する超巨大プロジェクト。

 現在の日本で、建設後50年以上を経過する社会資本は、2012年3月末時点でトンネルは全体の約18%、道路橋は全体の約16%に達している。仮に、これを放置したとすれば10年後の2022年には、トンネルの約31%、道路橋の約40%が建設後50年を超える状態に陥ってしまう。

 建設業界にとっては、今後長期にわたって公共インフラ整備の高水準な受注が継続することになる。さらに、2020年の東京五輪開催に伴うインフラ整備もこれに加わる。