<話題の焦点>=鉄鋼株は安値買い好機、粗鋼生産で07年水準を回復

 東京株式市場は日経平均1万5000円台で胸突き八丁、一段の上値を追うには今一つ迫力不足の感は否めない。

 ここからの全体指数の上昇には物色の柱となるセクターの存在はもちろんだが、ファンダメンタルズ面から見直し余地がある出遅れセクターの株価水準訂正が必須となる。その候補として有力なのがずばり鉄鋼セクターだ。アベノミクス効果により、国内の建設需要が増勢にあるほか、円高修正が進んでいることで輸出も好調に推移している。

 今中間期(4~9月期)決算時点で主要鉄鋼各社の経常利益合計額は3200億円を上回っており、前年同期比で実に7.5倍弱に膨らんでいる。個別ベースでみてもその収益変化のインパクトは絶大だ。また、13年の粗鋼生産量は1億1000万トンを超える見通しにある。これは、リーマン・ショックで経済が急激に冷え込む前の07年の水準に達している。新日鉄住金<5401.T>を筆頭に高炉3社は年初来高値圏にはまだ余裕があり、時価近辺は投資のチャンスといえる。

 ちなみに新日鉄住金の07年相場はどうだったかといえば、高値964円まで買われ、89年の上場来高値を払拭するか否かというところまで買われていた。裏を返せば、その3分1に近い水準を彷徨(ほうこう)する今の株価は強烈な水準訂正余地を内包しているといってよい。

 また、高炉メーカーと同様の背景で大同特殊鋼<5471.T>や日立金属<5486.T>など特殊鋼メーカーも上値余地があり、投資対象として面白そうだ。

◆水準訂正高が期待される高炉および特殊鋼メーカー

 銘柄<コード>   今期営業増益率  株価(円)

新日鉄住金<5401.T>  13.5倍    326
神戸鋼<5406.T>     8.5倍    171
JFE<5411.T>     3.9倍   2325
大同特鋼<5471.T>     36%    525
山陽特鋼<5481.T>    4.8倍    457
日立金<5486.T>     2.7倍   1375
三菱製鋼<5632.T>     77%    253

※株価は12月16日現在

出所:株経通信(株式会社みんかぶ)